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アルコール性認知症
  

【認知症の種類と特徴】
アルコール性認知症

アルコール性認知症の
主な症状や治療法とは?

認知症はさまざまな種類があり、中にはアルコール摂取によって引き起こされる認知症もあります。適度な飲酒は生活を豊かにしてくれるものですが、大量に飲酒する人やアルコール依存症の患者には脳の萎縮が高い割合で見られることが報告されています。ここでは、アルコール性認知症の特徴や症状などについて見ていくことにしましょう。

アルコール性認知症の特徴

アルコール性認知症とは、大量の飲酒が原因で脳血管に障害が起きたり、ビタミンB1が欠乏することによって引き起こされたりすると考えられている認知症です。ここでは、その特徴についてご紹介します。

アルコールの大量摂取によって引き起こされる

アルコール性認知症とは、その名の通りアルコールを大量に摂取することによって引き起こされる認知症です。お酒を大量に飲むことで、脳内のビタミンB1が欠乏してしまう「ウェルニッケ・コルサコフ症候群」と呼ばれる栄養障害が起こります。いわゆるアルコール性認知症とは、このウェルニッケ・コルサコフ症候群がかなりの割合を占めていると考えられています。

また、アルコールの飲みすぎは脳梗塞などの脳血管障害を引き起こすことも知られており、これらを原因として、アルコール性認知症を発症するとされています。

若い世代でも発症する可能性がある

特に高齢者の場合は、加齢によって脳が萎縮しているところに大量のアルコールを摂取するとその影響を受けやすいとされています。ただし、アルコール性認知症の場合は、高齢者だけではなくアルコールを摂取する人であればどのような年代でも発症する可能性がある点も大きな特徴です。そのため、若い世代でも発症する可能性も。

ただし、アルコール性認知症は「中毒性疾患」とされているため介護保険が適用されません(アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などの特定疾病の場合は41歳から64歳でも介護保険の対象となります)。

アルコール依存症との関連性

調査によると、アルコール依存症の2割は高齢者とされており、その中の4割に認知症の症状が見られるとされています。また、アルコール性認知症を発症した場合、歩行が不安定になったり、意欲が落ちたり、暴力、幻視などといったアルコール依存症と同じような症状があらわれたりすることも特徴です。

アルコール性認知症の症状

アルコール性認知症を発症すると、さまざまな症状があらわれてきます。主に下記のような症状が見られることが多いようです。

記憶障害や見当識障害

アルコール性認知症の場合、もの忘れなどの記憶障害や、状況を理解することができなくなってしまう見当識障害が生じることがあります。これらの症状は、アルコールを分解するためにビタミンB1が大量に使われ、欠乏することによって引き起こされる栄養障害の慢性化が原因で起きる「コルサコフ症候群」と呼ばれる症状です。

さらに、記憶の障害の影響によって「作話」が起こることもあります。これは、決して患者本人が嘘をつこうとしているのではなく、抜け落ちてしまっている記憶を繋ぎ合わせようとすることで起こってしまうものです。

歩行困難・意欲低下

アルコール性認知症を発症した場合、アルコール依存症と同じ症状があらわれることがあります。歩くときに何かに捕まらないと歩けないなど歩行が不安定になったり、意欲がなくなって何に対してもやる気が出なくなってしまったりします。他にも興奮しやすくなって暴力を振るうことがあったり、幻覚が見えるようになったりする人もいます。

行動の抑制が効かなくなる

さらに、アルコール性認知症を発症した場合は行動に抑制が効かなくなり、思うままに行動してしまうといった症状も見られます。他の人の食べ物を食べてしまったり、欲しいと思ったものを買わずに盗んできてしまったり、といったことが起こることもあります。

アルコール性認知症発症の原因

アルコール性認知症の原因は、その名の通りアルコールの大量摂取であると言われています。

アルコールが関連している認知症の原因としては、脳血管障害(多発性能梗塞)や頭部の外傷、糖尿病、肝硬変、栄養障害(ウェルニッケ・コルサコフ症候群など)など多岐にわたると言われています。

また、断酒を行うことにより脳萎縮の程度が改善するケースがあることからも、アルコールと脳萎縮には大きな関連性があると考えられています。

アルコール性認知症への対処方法

アルコール性認知症と思しき症状があらわれた場合、どのように対処したら良いのでしょうか。ここでは、診断方法や治療法についてまとめました。

検査・診断

アルコール性認知症が疑われる場合、まずは医療機関で検査を行います。例えば認知機能検査やMRI、CTといった画像検査、血流を調べるSPECTや脳の糖代謝を調べるPET検査などを実施します。また、その症状が起こっている原因が認知症によるものなのか、他の疾病によるものなのかを調べる検査が行われます。

アルコール性認知症は、アルコールの大量摂取が原因ですが、アルツハイマー型認知症の症状が出ている患者の場合、アルコール摂取量のコントロールができずに大量に摂取してしまうケースもあります。そのため、認知機能を障害している原因について詳しく検査を行う必要があると考えられています。

これらの検査を行った結果、アルコール以外に原因が考えられない場合にアルコール性認知症と診断されることになります。

治療

アルコール性認知症は、ほかの認知症を合併してしまった場合には治療が困難になるため、疑いを持った場合は早めに治療を始めることが大切です。また、ほかの認知症のように少しずつ症状が出てくるものではなく、突如ひどい症状があらわれることもあります。

アルコール性認知症と診断された場合、治療として最初に行われるのが「断酒」。アルコールの摂取を断つことによって、アルコール性認知症が改善するケースがあります(年齢や脳の萎縮が起こっている程度、脳血管の障害によってはあまり改善が見込めない場合もあります)。断酒を実施する上では、アルコール依存症の治療が必要なケースもあります。

また、アルコール性認知症患者の中には孤独を感じてしまうことがアルコールの大量摂取に繋がっていることもあります。そういったケースでは、さみしさを感じさせないように周りの人が積極的に関わることが大切です。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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