「いますぐ役立つ知識」が学べる 認知症予防大学 » 認知症とは何か? 認知症の基礎知識 » 認知症の初期症状
  

認知症の初期症状

認知症でよくみられる
初期症状とは?

認知症の初期症状というと「何かを忘れる」ことを思い浮かべると思いますが、その他にも特徴的な症状があります。
認知症や、その前段階である軽度認知障害を早期発見するためにも、詳しい症状をチェックしておきましょう。

pcマンガ pcマンガ
pcマンガ pcマンガ

軽度認知障害(MCI)とは?

軽度認知障害とは、認知症の前段階とも言われている状態。Mild Cognitive Impairmentの略で、MCIと呼ばれることもあります。人は年齢を重ねるにつれて物忘れが気になってきますが、軽度認知障害の場合は「年齢よりも、物忘れが少し多い」と思われるくらいの状態
記憶・判断といった認知機能に多少の低下は見られますが、認知症と診断されるレベルではなく、日常生活に支障をきたすこともありません。その定義は以下の通りです。(※1

  • 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
  • 本人または家族による物忘れの訴えがある。
  • 全般的な認知機能は正常範囲である。
  • 日常生活動作は自立している。
  • 認知症ではない。

この軽度認知障害には、大きく分けて2つの種類があります。ひとつは、物忘れをはじめとする記憶障害が主な症状とされる「健忘型」。もうひとつは、記憶障害は見られないが人の顔が判別できない、衣服をうまく着られなくなるといった「非健忘型」です。
このうち、健忘型は症状が進行するとアルツハイマー型認知症につながる可能性が高いとされており、非健忘型はレビー小体型認知症・前頭側頭型認知症につながる可能性が高いとされています

軽度認知障害と診断されたからといって、必ずしも認知症になるということではありませんが、放置するとそのリスクは高まるということを覚えておきましょう。

認知症の主な初期症状とは?

一般的な物忘れと認知症は違うものですが、具体的に認知症の初期症状にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、「公益社団法人 認知症の人と家族の会」が作成した早期発見の目安を紹介します。

早期発見の目安(※2

  • もの忘れがひどい
    ・今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
    ・同じことを何度も言う・問う・する
    ・しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
    ・財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
  • 時間・場所がわからない
    ・約束の日時や場所を間違えるようになった
    ・慣れた道でも迷うことがある
  • 判断力・推理力が衰える
    ・料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
    ・新しいことが覚えられない
    ・話のつじつまが合わない
    ・テレビ番組の内容が理解できなくなった
  • 人柄が変わる
    ・些細なことで怒りっぽくなった
    ・周りへの気づかいがなくなり頑固になった
    ・自分の失敗を人のせいにする
    ・「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた
  • 不安感が強い
    ・ひとりになると怖がったり寂しがったりする
    ・外出時、持ち物を何度も確かめる
    ・「頭が変になった」と本人が訴える
  • 意欲がなくなる
    ・下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
    ・趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
    ・ふさぎ込んで何をするのも億劫がり、いやがる

レビー小体型認知症の主な初期症状とは?

レビー小体型認知症は、レビー小体と呼ばれる異常構造物が脳幹・大脳皮質といった部分に蓄積することで発症します。 脳の萎縮が少ないまま神経変性が進行し、記憶障害以外の症状が多く見られるのが特徴です。
以下に、レビー小体型認知症の初期症状についてまとめてみました。

幻視

実際に存在しないものが見えることを幻視といいます。レビー小体型認知症の場合は非常にリアルな幻視が特徴で、「家の中に強盗が入ってくる」「見たことのない子どもが部屋の中にいる」「死んだはずの家族が見えた」「そこに虫がいる」といった訴えを繰り返します。

記憶障害

初期症状としての記憶障害はアルツハイマーより軽度ですが、レビー小体型認知症の場合は視空間認知の障害が目立ちます。
具体的には、空間の中にある物の形・配置を正しく認知できない状態で、目の前にいる人などを認識できなくなります。

パーキンソン症状

手足の筋肉がこわばる、体や表情が硬くなる、運動量が減る、動作が遅くなる、転びやすくなるといった、パーキンソン病と同様の症状が多く見られます。
人によってはひどい立ちくらみ・失神といった、自律神経症状が現れることもあるようです。

物忘れが気になったら相談したい場所

認知症は、早期発見と対応がその後の進行に大きな影響を及ぼします。もし、「最近、物忘れが気になるようになった」「家族に心配な症状がみられる」といった場合は、そのまま放置しないことが重要です。
では、気になる症状についてどこに相談をしたらよいのでしょうか。

認知症の相談や検査は、精神科・脳神経外科・心療内科などでも可能ですが、近年では認知症を専門に取り扱う「もの忘れ外来」「メモリー外来」といった専門外来が増えてきています。こうした専門外来は総合病院や大学病院などに併設されていることが多いため、問い合わせてみるとよいでしょう。
同様に、「もの忘れクリニック」「メモリークリニック」など、物忘れや認知症を専門に扱うクリニックも増えています。
もし、いきなり専門外来へ行くのはハードルが高い…という場合は、かかりつけ医や、地元の地域包括支援センターに相談してみるのもひとつの手段です。

また、厚生労働省では、全国約250ヶ所に認知症診療の中核施設として「認知症疾患医療センター」を設置。 この医療センターでは、認知症専門医による検査や治療を受けられるほか、精神保健福祉士をはじめとする相談員によるサポートを受けることもできます。
各種支援体制がしっかりと整えられているので、こちらを利用するのもよいでしょう。

参考文献

油山病院(https://www.aburayama-hospital.com/blog-abu/2017-12-1)

e-65.net(http://sodan.e-65.net/basic/ninchisho/lewy.html)

河野和彦 監修「ぜんぶわかる認知症の事典―4大認知症をわかりやすくビジュアル解説」(成美堂出版)(※書籍)

石井映幸 監修「これでわかる認知症予防」(成美堂出版)(※書籍)

広川慶裕 監修「もの忘れ・認知症が心配になったら読む本」(池田書店)(※書籍)

内門大丈 監修「認知症の人を理解したいと思ったとき読む本 正しい知識とやさしい寄り添い方」(大和出版)(※書籍)

おすすめ記事

脳の定期検査”サービスとは?

がん検診や人間ドックのように、脳も定期検査できるって知っていましたか?『認知症の予兆』を早期発見できる新サービスを紹介。

とっておきの認知症予防レシピ

認知症予防のためには食習慣の見直しが不可欠。毎日食べたい栄養素をたっぷり含んだ美味しいレシピを紹介します。

認知症予防Q&A

認知症は遺伝する?脳トレは認知症予防に本当に効果があるの?
気になる疑問に医師が答えます。

B!ブックマーク Twitter Facebook LINE

【取材協力:脳活総研】

脳の“定期検査”始めよう!

-令和時代の認知症予防
「脳研」とは?-

65歳以上の4人に1人がかかると言われる認知症は、早期発見が何よりも肝心。なのに、がん検診や人間ドッグ、歯科検診に行く人は多くても、「脳」の定期検査をしている人はごくわずか。そこで今、“認知症手前の症状”をすばやく発見できる定期検査、『脳検』が注目を集めています。

今日からできる認知症予防

毎日続けたい『食事』習慣

ドクター

記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

美味しいから続く!

とっておきの
認知症予防レシピ

  • 認知症予防レシピ
  • 認知症予防レシピ
  • 認知症予防レシピ

疑問と不安を解消認知症予防Q&A

認知症予防にまつわる疑問や不安、質問について、医師にくわしく答えてもらいました。