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神経変性性認知症
  

【認知症の種類と特徴】
神経変性性認知症

神経変性性認知症の主な
症状や治療法とは?

神経変性性認知症とは、その名の通り脳の神経が変性することによって現れる認知症です。
この神経変性性認知症になった場合、その脳はどのような状態になっており、具体的にはどんな症状が現れるのでしょうか。基本的な知識をまとめてみました。

神経変性性認知症は脳がどうなっている状態?

神経変性性認知症とは、何らかの原因によって脳の神経細胞が変性・死滅することにより引き起こされる病気。
神経変性性認知症の代表とされるのはアルツハイマー型認知症で、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症もこれに該当します。その他にも、神経変性性認知症にはさまざまな種類があり、それぞれ病態が異なります。

大脳皮質基底核変性症

前頭葉の萎縮が、左右非対称に現れるのが特徴。右脳または左脳のどちらかの前頭葉・頭頂葉に著しい萎縮が起き、脳の溝と溝のあいだの膨らみが狭くなります。

進行性核上性麻痺

大脳の深部にある大脳基底核の、視床下部・淡蒼球という部分に強い萎縮が見られます。画像検査では、左右の間脳の正中部にある第三脳室の拡大が認められます。

ハンチントン病

大脳の深いところにある大脳基底核、ここにある線条体と淡蒼球が萎縮します。進行性核上性麻痺では第三脳室でしたが、ハンチントン病では側脳室の拡大が見られます。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

脳の萎縮は見られませんが、脳からの運動指令を伝える運動ニューロンがある前角という部位に変性・萎縮が見られます。

嗜銀顆粒性認知症

嗜銀顆粒とは、銀を用いた組織染色によって反応するたんぱく質の一種。嗜銀顆粒性認知症ではこの嗜銀顆粒の増加が見られ、側頭葉の内側から強い萎縮が現れます。

石灰化を伴うびまん性神経原繊維変化病

大脳基底核にある淡蒼球を中心に、大脳基底核が石灰化するのが特徴。老人斑はありませんが、レビー小体型認知症と同様にαシヌクレインの沈着が認められます。

神経変性性認知症の典型的な症状は?

神経変性性認知症は、その種類によって現れる症状が異なります。

大脳皮質基底核変性症

発症してから2~3年ほどで、四肢が硬くなってうまく動けなくなるパーキンソン症状や、基本的な動作ができなくなる失行、物体を正しく認識できなくなる失認が見られます。歩行障害は、ほぼすべての症例に現れます。

進行性核上性麻痺

大脳皮質基底核変性症と同じくパーキンソン症状が見られますが、姿勢がアンバランスになる姿勢反射障害が目立ちます。
また、眼球が垂直方向に動かなくなったり、正確に発音できなくなる構音障害なども見られます。

ハンチントン病

自分の意志とは関係なく手足や口などがすばやく動く舞踏運動や、うつや不安、アパシー(自発性の低下)といった精神症状が見られます。
比較的、自殺のリスクが高い症状とも言われています。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

手足に力が入らないといった症状から始まり、徐々に手足がまったく動かせなくなります。筋力の低下や萎縮によって言語障害が現れたり、末期になると呼吸すらままならなくなります。

嗜銀顆粒性認知症

比較的軽度の記憶障害が見られ、その進行速度は遅め。ちょっとしたことで興奮したり、自発性が低下するといった症状が見られることもあります。

石灰化を伴うびまん性神経原繊維変化病

初期症状として見られるのは、アルツハイマー型認知症と同様の記憶障害や、時間や場所が分からなくなる見当識障害。
進行すると共に、攻撃性や無関心などの症状が現れます。

神経変性性認知症の診断方法と治療方法は?

神経変性性認知症の診断方法を以下にまとめました。

大脳皮質基底核変性症の診断

頭部CTやMRIによる画像検査で、前頭葉・頭頂葉の萎縮を確認します。
脳血流検査であるSPECTや脳代謝検査のPET検査では、同じ部位に血流や代謝の低下が見られます。

進行性核上性麻痺

発症から1年以内に転倒しやすくなった、上下方向の眼球運動障害が見られる場合、進行性核上性麻痺が疑われます。
MRIによる画像検査では、第三脳室の拡大が見られます。

ハンチントン病

ハンチントン病は遺伝性であるため、確定診断には遺伝子検査が用いられます。遺伝子の突然変異は第4番染色体上のHTT遺伝子にあり、この中にある塩基配列の異常を確認します。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

まず、骨格筋を支配している運動ニューロン(上位運動ニューロン・下位運動ニューロン)に障害が認められることを確認。さらにほかの疾患である可能性を排除するため、MRI・脳髄液検査・針筋電図検査・末梢神経伝導検査などを行います。

嗜銀顆粒性認知症

簡単な質問に答えるMMSE(ミニメンタルステート検査)や、脳血流SPECTといった機能画像検査で診断できることもありますが、確定診断は組織や細胞を直接調べる病理診断でないと困難です。

石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病

頭部CTやMRIによって、石灰化の有無を確認します。

治療法についてですが、神経変性性認知症を根治する方法は残念ながら見つかっていません。それぞれの症状に合わせた薬物療法などを適切に進めると共に、リハビリや介護サービス導入なども同時に考えていく必要があります。

神経変性性認知症が発症する主なリスク要因は?

神経変性性認知症の発症リスクは、それぞれの種類で異なります。ほとんどのケースで明確な原因が分かっておらず、発症年齢も若年層から高年層まで幅広く見られます。
以下に、神経変性性認知症の種類ごとに考えられる発症リスクについてまとめてみました。

大脳皮質基底核変性症

年齢や性別を問わずに発症するのが特徴。ハッキリとした原因は不明であり、そのほとんどは遺伝とは関連性のない孤発性となっています。

進行性核上性麻痺

40歳以上で発症するケースが多く、とくに60代の男性に多く見られます。原因は不明でほとんどが孤発性ですが、まれに遺伝性も見られます。

ハンチントン病

優性遺伝で、多くの場合は両親のどちらかがハンチントン病患者となっています。35~50歳代と、発症年齢が低めです。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

40~60歳代の男性に多く見られます。遺伝との関連性はほとんどなく、その90%以上が孤発性です。

嗜銀顆粒性認知症

遺伝との関与が認められない孤発性の疾患です。年齢を重ねれば重ねるほど、発症のリスクが高まっていきます。

石灰化を伴うびまん性神経原繊維変化病

孤発性だけでなく、遺伝性も認められる疾患です。80歳以上の人に多く見られます。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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