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早期アルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」

早期アルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」、2020年に承認申請へ

アルツハイマー型認知症については、進行を抑える薬はあるものの、根本的な治療薬はこれまでありませんでした。しかし、バイオジェンとエーザイによって開発が進められている「アデュカヌマブ」という抗アミロイドβ抗体に注目が集まっています。アデュカヌマブは、アルツハイマー型認知症の原因と考えられるアミロイドβの除去が期待できるという治療薬。ここでは、アデュカヌマブはどのような治療薬なのかまとめています。

アデュカヌマブとは

アデュカヌマブとは、バイオジェンとエーザイによって共同開発を行っている、早期アルツハイマー型認知症の治療薬です。アルツハイマー型認知症に対しては、進行を一時的に遅らせる薬はあるものの、根本的な治療薬はまだ存在していないのが現状です。

そのため、アデュカヌマブが承認された場合、早期アルツハイマー型認知症の症状悪化を抑制する最初の治療薬となるとともに、認知症の原因物質とされているタンパク質・アミロイドβを除去することが、アルツハイマー型認知症の治療において効果があるということを実証する初の治療薬となることが期待されています。

アデュカヌマブは抗アミロイドβ抗体

アデュカヌマブは、抗アミロイドβ抗体と呼ばれるものです。これまでアルツハイマー型認知症の発症メカニズムには、アミロイドβと呼ばれるタンパク質が関わっていると言われてきました。このアミロイドβが神経細胞内に蓄積し、凝集していくことにより神経細胞死をもたらすことで、アルツハイマー型認知症を発症すると考えられています(アミロイド仮説)

アデュカヌマブはこれまでの認知症で使用されてきた薬とはメカニズムが異なり、このアミロイドβを減らすことができるとされており、認知症の治療に活用できるとされています。

認知機能低下抑制の目標値を達成

アデュカヌマブが世に知られるようになったのは、科学誌「ネイチャー」に論文が掲載されたことがきっかけです。少数の患者を対象とした臨床試験において、認知機能の低下を抑える効果が見られるという内容で注目されました。

その後、2015年より新薬として承認を得るための臨床試験が開始しています。しかし、1748人のデータをもとに外部の専門家によって行われた中間解析では、「目標としている効果を示す可能性は低い」という評価。そのため、2019年3月に臨床試験を中止しています。

しかし、その後中間解析から中止までの期間(約3ヶ月間)に得られたデータを追加し、内部で解析したところ、2つ行っていた臨床試験のうちひとつで、認知機能低下を抑える効果に関して目標を達成していたことが明らかになりました。これは、これまでは副作用を抑えるために一部の患者で投与量を抑えていたという背景が関係しています。しかし試験を進めるうちに、ある程度副作用のコントロールができるようになったため、一部の患者の投与量が引き上げられました。このようにして高容量の投与を受けた患者が多く含まれることになったことから、効果が大きく現れたと見られています。

2020年に新薬承認申請予定

バイオジェンでは、2020年はじめにアメリカで承認申請すると発表されています。さらにバイオジェン・ジャパンでは2019年12月18日に、アデュカヌマブを日本で2020年に承認申請する予定であることを明らかにしました。承認取得後は、米国や欧州、日本などの主要な市場においてエーザイと共同販促する予定となっています。

アミロイド仮説に基づく他の新薬にも期待

これまで、アミロイドβの蓄積がアルツハイマー型認知症の原因であるという「アミロイド仮説」をもとにして、さまざまな治療薬の研究が進められてきましたが、臨床試験では「効果なし」という結果に終わるというケースが相次いでいました。このような現状の中で、「アミロイド仮説」に否定的な意見を述べる医師も出てきています。

しかし、アデュカヌマブが新薬として承認されることにより、アミロイドβの除去がアルツハイマー型認知症に効果があるということが実証され、アミロイド仮説に基づいて開発されている他の新薬候補にも示唆を与えることにつながると期待されています。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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