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肝性脳症(肝不全)

肝性脳症(肝不全)はどのような症状があらわれるのか

肝硬変の合併症の一つである肝性脳症(肝不全)は、時間や場所がわからなくなったり、ものを取り違えたり、認知症と間違えやすい症状が出る場合があります。この記事ではなぜこのような症状が起こるのか、またほかにはどのような症状がみられることがあるのかをご紹介しています。

肝性脳症(肝不全)の特徴

肝性脳症(肝不全)とは、通常は肝臓で除去される有害物質が血液中に蓄積することで脳に達し、脳機能が低下してしまう病気です。下記のような特徴があります。

認知症やせん妄の症状と誤解されやすい

特に高齢の患者の場合、睡眠パターンや軽い錯乱など、肝性脳症の初期症状が認知症やせん妄と誤解されやすいという特徴があります。そのため、肝性脳症を発症した初期段階では、わかりにくいことがあります。

慢性の肝疾患がある患者に発生

肝性脳症は、慢性の肝疾患に発生しやすいという特徴があります。このような患者の場合、植物性たんぱく質の過剰摂取、感染症、消化管での出血やストレス、処方薬を正しく服用しないことなどが誘因となります。

肝性脳症(肝不全)の症状

肝性脳症(肝不全)を発症すると、さまざまな症状が見られるようになります。ここでは、肝性脳症を発症した場合に見られる症状についてまとめています。

論理的思考、人格や行動に変化

肝性脳症を発症した場合、初期症状としては論理的思考や人格・行動に微妙な変化があらわれてきます。また、抑うつや不安を感じる、怒りっぽい、集中力の低下、判断力が鈍るといった症状が見られます。

症状が進むと昏睡状態になる

症状が進行すると、眠気や錯乱が見られるようになり、動作や会話が緩慢になります。さらに肝機能の低下が続いてしまうと意識を失ってしまい、昏睡状態に。昏睡状態に陥ると、たとえ治療を受けたとしても死に至ることが多くなります。

ミオクローヌスの症状も見られる

突然の音や光、動きなどの刺激に晒されると、筋肉がビクつく「ミオクローヌス」と呼ばれる症状がみられることもあります。また、腕を伸ばした時にしっかりと手を支えきれないために、羽ばたくような動き(羽ばたき振戦)が出てきます。

肝性脳症(肝不全)の原因

肝性脳症の主な原因は、体内のアンモニアであると言われています。

体内のアンモニアは、腸内細菌が食物のタンパク質を分解することで産生されます。このように生み出されたアンモニアは、通常は肝臓で解毒されることになります。しかし、肝硬変などによって肝臓の機能が低下していたり、肝臓を迂回する血液の流れができたりすることで毒素の除去ができない場合、血液中のアンモニアが増えてしまうことになります。

このように増加したアンモニアが脳まで到達すると、肝性脳症を引き起こしてしまうと考えられています。

肝性脳症(肝不全)への対処方法

肝性脳症の疑いがある場合や肝性脳症と診断された場合には、どのように対処したら良いのでしょうか。ここでは肝性脳症における診断方法や治療方法についてまとめています。

検査・診断

肝性脳症が疑われた場合には、医師による評価と血液検査、また精神状態や脳波の検査を行うことになります。

感染症や薬など、脳症の誘因となった可能性がある事柄についてヒアリングし、原因を特定した上で血液検査を行うことで診断を確定することになります。

また、アンモニア値の測定のほか、初期段階で起こる微妙な変化を把握するために精神状態の検査や、脳活動の以上を検出できる脳波検査を行うこともあります。

治療

肝性脳症は、多くの場合治療することが可能です。

具体的な治療法等としては、まず感染症や薬など、肝性脳症の原因となっているものを除去することになります。例えばアンモニアなどの毒素は、動物性タンパクを消化する際に作られるため、肉や魚など動物性のたんぱく質の制限や、腸洗浄を行う、抗菌薬の投与などが行われます。

また、便秘も肝性脳症の原因となる場合もありますので、便秘にならないように規則正しい生活、食生活を送ることも大切です。

患者の中には完全に回復するケースも見られますが、慢性肝疾患の場合は将来脳症を発生しやすいという傾向があります。一部、永続的に治療が必要な患者もいます。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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