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二次性認知症
  

【認知症の種類と特徴】
二次性認知症

二次性認知症の
主な症状や治療法とは

あまり聞きなれない言葉である、二次性認知症。この二次性認知症と呼ばれるものにはどんな種類があり、どのような症状が見られるのでしょうか。考えられる発症リスクや治療法などをまじえて解説していきます。

二次性認知症は脳がどうなっている状態?

二次性認知症とは、脳の病気がキッカケとなって引き起こされる認知症の総称。
二次性認知症で割合が多いのは脳血管性認知症ですが、脳内の腫瘍・血種などによって認知症が起こるケースも少なくありません。以下に、主な二次性認知症の病態をまとめてみました。

正常圧水頭症

脳が頭蓋骨に当たらないように、脳内を満たしている髄液。
この髄液が何らかの原因で過剰になり、脳を圧迫することで起こるのが正常圧水頭症です。

慢性硬膜下血腫

脳と脊髄を包んでいる硬膜と、その下にあるクモ膜の間に血液のかたまり(血腫)ができ、それによって脳が圧迫されることで起こります。
軽微な頭部外傷が原因であることがほとんどです。

脳腫瘍

脳にできた腫瘍によって、脳が圧迫されることで発症。
脳腫瘍には最初から脳内に発生する原発性と、内臓から転移する転移性があります。前頭葉に腫瘍ができた場合、とくに認知症になりやすいとされています。

クロイツフェルト・ヤコブ病

プリオンという異常たんぱく質が、小脳・脳幹・大脳に蓄積することで発症します。脳の萎縮はそれほど強くないものの、広い範囲で萎縮が見られ、脳室が拡大します。

その他の全身性疾患

認知症を引き起こす全身性疾患には、甲状腺が腫れて大きくなる甲状腺機能低下症、神経線維が多く集まる脊髄白質の細胞が脱落するビタミンB12欠乏症、視床下部の周辺に点状の出血が見られるビタミンB1欠乏症(ウェルニッケ脳症)があります。

二次性認知症の典型的な症状は?

二次性認知症の症状は、種類ごとにそれぞれ異なります。

正常圧水頭症

正常圧水頭症の3大症状は、すり足を代表とする歩行障害・認知機能障害・尿失禁が順に現れ、急速に進行するのが特徴です。
記憶障害や見当識障害(場所や時間が分からなくなる)は軽度ですが、思考力・注意力低下・実行機能障害・無関心などは顕著です。

慢性硬膜下血腫

頭部に外傷を負ってから3週間~3ヶ月後に、頭痛、体の片側がマヒする片麻痺、意欲低下、見当識障害などが現れます。軽く頭をぶつけただけで起こることがあるため、外傷との関連性を確認できないこともあります。

脳腫瘍

腫瘍ができる部位によって、現れる症状が異なります。
前頭葉に腫瘍ができた場合は認知症をきたすことが多く、記憶障害よりも実行機能障害(行動の計画や実行ができなくなる)や、言葉がスムーズに出てこない失語などが多く見られます。

クロイツフェルト・ヤコブ病

初期に見られる症状は、食欲の低下、不安感、倦怠感、視覚異常などの不定愁訴。その後急速に認知症が進行し、自分の意志とは関係なく手足や顔が動くミオクローヌス、発話がうまくできない構音障害、歩行障害などが見られるようになります。

その他の全身性疾患

甲状腺機能低下症の場合、新しいことを記憶できなくなったり、活動性や集中力の低下が見られます。重度になると脈が遅くなる徐脈、便秘、脱毛などを伴うこともあります。
ビタミンB12欠乏症では、初期に見られるのが四肢の感覚障害。その後、運動障害が進行します。
ビタミンB1欠乏症の場合、意識障害や眼球運動障害が特徴です。

二次性認知症の診断方法と治療方法は?

二次性認知症の診断方法と治療方法は、以下の通りです。

正常圧水頭症

正常圧水頭症の診断には、CTやMRIによる画僧検査のほか、タップテストが行われることもあります。

タップテストとは腰椎から髄液を採取し、その後の体の回復を見るテスト。採取してから2~3日で歩行などの障害が回復した場合は水頭症と診断され、手術が行われます。
手術法として用いられるのは脳室腹腔シャント術が多く、脳室に溜まった脳脊髄液をチューブを介して腹腔へと流します。

慢性硬膜下血腫

60歳以上の男性で、頭痛・片麻痺・意欲低下といった症状の進行が見られる場合、慢性硬膜下血腫が疑われます。
通常のX線撮影では、石灰化した特殊な慢性硬膜下血腫以外は見つけることができないため、確実な診断にはCT・MRIが用いられます。血腫が小さければ自然に吸収されることもありますが、そうでない場合は血腫を除去する手術を行います。

脳腫瘍

症状などから脳腫瘍の疑いがある場合、CTやMRIによる画像検査で腫瘍の場所や大きさを100%診断できます。
症状がない場合は経過観察をすることもありますが、通常の治療は手術が基本です。腫瘍の種類によっては、放射線治療や化学療法を組み合わせることもあります。

クロイツフェルト・ヤコブ病

脳の萎縮は強くありませんが、髄液検査や脳波検査で特徴的な所見が見られます。クロイツフェルト・ヤコブ病が疑われる場合は、こういった検査で診断を行います。
治療法については現在のところ開発されておらず、対症療法にとどまります。

その他の全身性疾患

甲状腺機能低下症の診断には、血液検査・超音波検査・CTやMRIによる画像検査が用いられます。治療はホルモン補充療法が基本です。

ビタミンB12欠乏症は、胃全摘手術の既往歴を持っていることが多いため、診断基準となります。治療としては、ビタミンB12の筋肉注射が用いられます。

ビタミンB1欠乏症では、特徴的な症状が見られるかどうかや、ビタミンB1の投与で症状が改善するかどうかが基準となります。治療は、ビタミンB1の補充が基本です。

二次性認知症が発症する主なリスク要因は?

二次性認知症のうち、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、クロイツフェルト・ヤコブ病については原因が今のところ不明となっています。
しかし、原因は不明ですが正常圧水頭症については治療が可能。慢性硬膜下血腫は外傷が原因となっているため、事故やトラブルで頭を打ったことがある場合は、すぐに受診することで治療を進めることができます。

正常圧水頭症は治療可能な認知症のひとつですが、根治をさせるには、脳のダメージが少ない状態であることが条件です。早い段階でシャント手術を行うことができれば、術後2ヶ月後には90%で歩行障害の改善が明らかとなり、1年後には95%が改善すると言われています。
尿失禁については、術後1週間で90%に改善が認められています。認知機能障害はアルツハイマー型認知症を併発しているケースもあるためハッキリとは言えませんが、1年ほどで67%が改善したという報告もあります。(※1

このように二次性認知症の中には治療が可能なものもありますが、多くの場合は発見や治療が遅れやすい傾向にあります。ある程度病気が進行するまで受診しないというケースも少なくないので、少しでも気になることがあるなら専門医に相談しましょう。

引用元

※1 関東労災病院HP

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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