「いますぐ役立つ知識」が学べる 認知症予防大学 » 認知機能の状態を知る 「認知症検査」の種類と方法 » 認知症かどうかを診る
「問診・神経心理学検査」
  

認知症かどうかを診る
「問診・神経心理学検査」

専門医が行う
認知症診断の方法とは?

認知症かどうかを医療機関で診断してもらう際に行う、問診と神経心理学検査。この問診ではどのようなことを聞かれ、神経心理検査ではどのような検査を行うのでしょうか。代表的な例をまとめてみましたので、参考にしてみてください。

認知症診断のための『問診』・『診察』とは?

認知症の検査において、欠かせないのが医師による問診と診察です。問診では医師から直接質問をされるほか、事前にアンケートを記入するスタイルもあります。主に、問診で聞かれる内容は以下の通りです。

・いつ頃から、気になる症状が見られるようになったか
・その症状によって、生活はどのように変化したか
・日常生活や社会生活に支障をきたしているか
・症状が悪化したり、進行している様子はあるか
・体になんらかの不調があったか、事故などに遭っていないか
・家族構成・人間関係・生活する環境に変化があったか
・これまでにかかった病気の種類、服薬している薬
・家族の中に、同じような症状が起きた人はいるか

伝えたいことはたくさんあるのに、いざ問診となると緊張してしまい、家族も本人も言いたいことをうまく伝えられないことがあります。生活の中の小さな変化や気になる行動など、すべてが認知症を診断するための材料となります。なるべく具体的な内容を伝えられるよう、病院へ行く前にあらかじめメモにまとめておくとよいでしょう。紙に書いておけば、本人の前で言いにくい事柄も、医師にスムーズに伝えられることがあります。

神経心理学検査とは?

神経心理学検査とは、言語・思考・認知・記憶・行為・注意といった高次脳機能の障害を数値化することで、認知機能の状態を客観的に評価するもの。認知症の早期発見や進行状況を把握するための必須検査であり、専門の医師もしくは臨床心理士によって行われます。

神経心理学検査でよく用いられるのは、認知機能や知的機能を調べるための検査。検査にはさまざまな種類がありますが、机を挟むようにして医師や専門家と向き合い、質問に答える・道具を操作する・何かを記述するといったことを行います。検査によって必要な時間は異なりますが、多くの場合は検査を受ける人に負担がかからないよう、数分~数十分程度という短時間で実施されます。

神経心理学検査は認知機能を測るための試験ではなく、「どの機能がうまく働かないのか」「度の機能は維持できているのか」といった現状を知るためのものです。この検査は不安・緊張・イライラといった精神状態や、痛み・倦怠感といった身体状況によって検査結果が変わることもあります。正しく診断するためには、できるだけコンディションを整えるのはもちろんですが、一度の検査で異常がなかったとしても、定期的に検査を受けることを検討したほうがよいでしょう。

代表的な神経心理学検査『HDS-R』(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)とは?

代表的な神経心理学検査のひとつに、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)があります。これは1974年に精神科医である長谷川和夫氏が開発した認知機能テストで、2004年に改訂されたもの。高齢者の認知機能障害の有無や程度を判定するのが目的で、日本国内の病院で広く用いられています。

改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、口頭の質問に対して口頭で答えるスタイルが特徴。認知症の検査として行われる場合の所要時間は5~10分ほどと短時間で、動作を伴う項目がないため、被験者の負担が比較的軽くなっています。

質問の内容は、「年齢はいくつですか?」「今いる場所はどこですか?」「今日は、何年の何月何日ですか?」「100から順番に7を引いてください」「私がこれから言う数字を逆から言ってください」「知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください」など9項目。30点満点で、20点以下は認知症の疑いがあるとされます。また、この評価スケールは認知症が確定している人の程度を知るためにも利用されており、20点以上が軽度、11~19点が中等度、10点以下で高度という判定がなされます。

国際的に広く用いられる神経心理学検査『MMSE』とは?

MMSEとはMini Mental State Examinationの略称で、ミニメンタルステート検査、精神状態短時間検査とも呼ばれるもの。アメリカのフォルスタイン夫妻によって入院患者の認知機能障害の有無を調べる目的で開発されたもので、1975年に公表されました。認知症のスクリーニング検査としては世界でもっとも広く活用されており、日本でも改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)と並んでよく利用されています。これまでは保険外診療でしたが、2018年に法が改正されたことにより、保険適用で受けられるようになりました。

MMSEの問題は11項目あり、その内容は「図形の描画」「文章の記載」「いくつかの単語を繰り返して言う」「身近にあるものの名前を言う」「時間や場所についての質問」など。満点は30点となっており、23点以下だと認知症の疑いあり、27点以下だと軽度認知障害(MCI)の疑いがあると判定されます。

ただし、MMSEは特定集団から認知症のリスクが高い人を選別するためのスクリーニングテストであり、認知機能の低下を早期に発見することはできても、これだけで確定診断にはなりません。MMSEで軽度認知障害や認知症の疑いがあるとされた人は、すみやかに専門の医療機関で診察を受けるようにしましょう。

おすすめ記事

脳の定期検査”サービスとは?

がん検診や人間ドックのように、脳も定期検査できるって知っていましたか?『認知症の予兆』を早期発見できる新サービスを紹介。

とっておきの認知症予防レシピ

認知症予防のためには食習慣の見直しが不可欠。毎日食べたい栄養素をたっぷり含んだ美味しいレシピを紹介します。

認知症予防Q&A

認知症は遺伝する?脳トレは認知症予防に本当に効果があるの?
気になる疑問に医師が答えます。

B!ブックマーク Twitter Facebook LINE

【取材協力:脳活総研】

脳の“定期検査”始めよう!

-令和時代の認知症予防
「脳研」とは?-

65歳以上の4人に1人がかかると言われる認知症は、早期発見が何よりも肝心。なのに、がん検診や人間ドッグ、歯科検診に行く人は多くても、「脳」の定期検査をしている人はごくわずか。そこで今、“認知症手前の症状”をすばやく発見できる定期検査、『脳検』が注目を集めています。

今日からできる認知症予防

毎日続けたい『食事』習慣

ドクター

記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

美味しいから続く!

とっておきの
認知症予防レシピ

  • 認知症予防レシピ
  • 認知症予防レシピ
  • 認知症予防レシピ

疑問と不安を解消認知症予防Q&A

認知症予防にまつわる疑問や不安、質問について、医師にくわしく答えてもらいました。