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「発症リスク検査」
  

病院で受けられる
「発症リスク検査」

認知症発症のリスクを
判定する専門検査とは?

認知症について医療機関で受けられる検査には、認知症の発症リスクを判定する検査もあります。自分がどれくらい認知症になりやすいのか、といった目安を知ることのできる検査ですが、どのような検査があるのでしょうか。以下に詳しい内容をまとめてみました。

血液からリスク判定する『MCIスクリーニング検査』とは?

MCIとは、認知症の前段階とされる軽度認知障害のこと。Mild Cognitive Impairmentの略称です。MCIスクリーニング検査は、筑波大学の朝田隆教授が行ったコホート研究をもとに、株式会社MCBIが開発したもの。定期的に検査を受けることにより、軽度認知障害のリスクを判定することができます。

MCIスクリーニング検査は、少量の血液を採取する血液検査です。アルツハイマー型認知症の原因物質と言われているものにアミロイドβという異常たんぱく質がありますが、人間にはアミロイドβが脳に蓄積しないよう、それを排除したり毒性を弱める防御機能が備わっています。その機能を担っているのがアポリポたんぱく質(ApoA1)・補体たんぱく質(C3)・トランスサイレチン(TTR)という3つのたんぱく質なのですが、MCIスクリーニング検査では血液中に含まれるそれらの量を測定。アミロイドβに対する抵抗力を測定し、軽度認知障害のリスクを判定します。
MCIスクリーニング検査の結果は4段階に分かれています。(※1)
A:1~2年に1回は検査を受けましょう
B:1年毎の検査を受けましょう
C:6ケ月~1年毎の検査を受けましょう
D:2次検査をおすすめします

比較的リスクが低いと判断された人でも、年齢を重ねるにつれて軽度認知障害のリスクは高くなっていきます。健康診断と同じように定期的に病院で検査を受け、早期発見につなげていきましょう。

脳の糖代謝を見る『FDG-PET検査』とは?

PET検査とは正式名称を「陽電子放射断層法」といい、細胞の代謝を調べるためのものです。放射性物質を含んだ特殊な薬剤を用いて、細胞から放出される陽電子を画像化。これにより、脳の状態を把握します。

代表的なPET検査に、FDG-PET検査があります。この検査に使用するFDGとはフルオロデオキシグルコースのことで、脳のエネルギー源であるブドウ糖に似た構造の薬剤に放射性物質を加えたもの。これを静脈から投与したのちCTで画像診断を行うと、脳のどの部分で代謝が低下しているのかを見ることができます。アルツハイマー型認知症の場合は側頭頭頂葉、レビー小体型認知症の場合は側頭頭頂葉と後頭葉、前頭側頭葉変性症の場合は前頭側頭葉の機能の低下が見られるため、認知症の早期診断やタイプの判別に役立ちます。

このPET検査を受ける際には、ブドウ糖の代謝を正確に把握する必要があるため、検査の5~6時間前から絶食が必要です。飲み物については水・お茶程度ならOKですが、糖分を含むジュースやスポーツドリンク等の摂取は禁じられています。検査自体はベッドに横になっているだけでよく、所要時間は30~40分ほどが一般的です。

アミロイドβの蓄積量を知る『アミロイド-PET』とは?

認知症の大半を占める、アルツハイマー型認知症。このアルツハイマー型認知症の原因物質であるといわれているのがアミロイドβという異常たんぱく質で、いわば老廃物です。このアミロイドβが脳に蓄積することで神経障害や機能障害が起こり、認知症につながるといわれています。

アミロイド-PET(アミロイドイメージング)とは、アミロイドβの蓄積量を確認するための検査です。アミロイドβの蓄積を知るには脳細胞を直接調べる必要があったため、これまでは死亡解剖などでしか判断することができませんでしたが、アミロイド-PETが開発されたことにより、生きている間にアミロイドβを画像化して確認できるようになりました。このアミロイド-PETは他の認知症検査に比べて精度が高いのが特徴で、アルツハイマー型認知症の診断はもちろん、アミロイドβの蓄積状況から症状の早期発見も可能となっています。

アミロイド-PETではPET診療用放射性薬剤を投与したのち、PET装置にて頭部を撮影。これにより、脳内のアミロイドβの蓄積状況をカラー画像で診断することができます。認知症の早期発見・早期診断だけでなく、10~20年後のアルツハイマー型認知症のリスクを診断することも可能です。

腰から髄液を採取する『脳脊髄液検査』とは?

脳脊髄液検査法とは、脳や脊髄などの表面を満たしている脳脊髄液に含まれるアミロイドβ・リン酸化タウといったたんぱく質を測定する検査。アルツハイマー型認知症のリスクを調べることができます。

アルツハイマー型認知症患者の脳内では、アミロイドβが脳細胞外に沈着した「老人斑」や、過剰にリン酸化したタウたんぱくが蓄積することで起こる「神経原線維変化」が見られます。これにより、アルツハイマー型認知症患者の脳脊髄液では、アミロイドβ・リン酸化タウという2つのたんぱく質濃度の変化が見られることが分かっています。脳脊髄液検査では、アミロイドβの量が減少、リン酸化タウの量が増加している場合に、アルツハイマー型認知症のリスクが高いと判断されます。

脳脊髄液検査のやり方ですが、まず脳脊髄液を採取することが第一です。脳脊髄液は脳内だけでなく脊髄までを満たしている液体なので、腰の下あたりから採取することが可能です。検査はベッドに横になった状態で麻酔をし、細い管を刺して脳脊髄液を採取。検査は30分ほどで終わりますが、検査後に頭痛・吐き気といった症状を訴えるケースもあるため、終了後は1時間ほどの安静が必要。医師のチェックを受け、OKが出てから帰宅することになります。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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