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認知症予防に効果的な成分「ビタミンE」

認知症予防にビタミンEが効果的?
研究結果や摂取方法を調査


私たちの生活に身近に存在する栄養素であるビタミンE。ナッツにも多く含まれるため、間食に取り入れている人も多いのではないでしょうか。このビタミンEは強い抗酸化作用をもち、認知症予防に効果があるのではないかと期待されているものでもあります。ここでは、ビタミンEとはどういったものなのか、そしてその作用や摂取方法について見ていきましょう。

ビタミンEとは

ビタミンEは、脂溶性ビタミンの1種です。アーモンドをはじめとするナッツ類、うなぎ、かぼちゃ、アボカドなどに多く含まれており、「トコフェノール」とも呼ばれることがあります。ビタミンE作用を持っているトコフェロールは「α(アルファ)」、「β(ベータ)」、「γ(ガンマ)」、「δ(デルタ)」の4種類あり、体内に最も多く存在しているのは「αトコフェノール」です。さらに、生理作用が最も強いのもαトコフェノールです(α-トコフェロールを100とすると、β-トコフェロールの生理作用は40、γ-トコフェロールは10、δ-トコフェロールは1となっています)。

抗酸化作用を持つ

ビタミンEの大きな特徴は、強い抗酸化作用を持っていることです。脂溶性のビタミンEは、脂質とともに腸管からリンパ管を経由することで体内に吸収されるという流れになります。この抗酸化作用により、血液中のLDLコレステロールの酸化を抑えたり、赤血球の破壊を防ぐ作用、体内の細胞膜の酸化に伴う老化など多くの働きを持つことから、生活習慣病や老化に関連する疾病予防が期待されています。

不足すると神経や筋障害が見られることも

ビタミンE不足になると、神経や筋障害の症状が出てくることがあり、血行不良を引き起こすことがあります。そのため、冷え性や肩こり、頭痛の症状を感じることも。

さらに、抗酸化力も低下するために血液中のコレステロールが酸化しやすくなることから、動脈硬化の原因になったり、肌を紫外線から守れなくなることでシミ・シワができやすくなるケースがあるようです。

ビタミンEが認知症予防に作用する仕組み

認知機能の障害には、酸化ストレスの増大が非常に関係していると考えられています。そのため、抗酸化物質やビタミンを多く含む食物が認知症の予防に関係しているのではないかと考えられています。

酸化ストレスの増大は神経細胞に作用して、シナプスの可塑性や認知機能などに障害をもたらすことから、アルツハイマー病による認知機能障害や加齢に伴う認知機能低下の最重要危険因子の一つである。しかしながら、脳の抗酸化酵素活性はあまり高くない。そのため、抗酸化物質やビタミンなどを多く含む食物の摂取は、アルツハイマー病を含む認知症の発症予防や進行の遅延に有効であると思われる。

多くの疫学研究から推察される認知症予防栄養素としては、果実・野菜に含まれる抗酸化ビタミンのビタミンEとC、そして高ホモシステイン血症予防効果のビタミンB群・葉酸、さらには魚に含まれるω-3系脂肪酸(ドコサヘキサエン酸:DHA、エイコサペンタエン酸:EPAなど)が考えられる。

出典:橋本道男ら|島根県高齢者の認知・情動機能に及ぼす食事と運動の影響に関する介入試験成果から(pdf)

以上のことから、高い抗酸化作用を持つビタミンEが認知症の予防や進行を遅らせることについて有効であるとされ、多くの研究が行われています。

ビタミンEが認知症の予防に効果的とする根拠

厚生労働省によるホームページ「みんなのメンタルヘルス」では、食事と認知症の関係について下記のように紹介されています。

食事関連で注目されてきたものに、抗酸化物質(ビタミンE、ビタミンC、βカロチン)があります。これらの物質は、酸化による傷害から体を守ります。また脂質については、飽和脂肪酸ではなく不飽和脂肪酸が健康一般にも認知機能にもよいことが常識化しつつあります。とくに魚油に含まれるω-3系の長鎖不飽和脂肪酸は、血栓予防、抗炎症作用、降圧作用、インスリン感受性への作用など多くの効果を有しています。事実、魚の摂取量が多いとアルツハイマー病予防に効果的という報告があります。

もっとも、最近では大切なのは個々の栄養素の多寡ではないとする意見もあります。むしろ摂取する食物の種類・数と総合バランスこそ大切だとする意見です。

出典:厚生労働省|みんなのメンタルヘルス

上記のように、ビタミンEに関しては認知症の予防に効果的とする意見がある一方、「効果がない」と否定する意見もあり、いまでも世界中でさまざまな研究が行われています。

ビタミンEの摂取方法

トコフェロールには4種類ある、ということを冒頭でご説明しましたが、「日本人の食事摂取基準」では、「αトコフェロール」の量をビタミンEとして定めています。そのため、ビタミンEの摂取基準として定められているのは、このαトコフェノールの量ということになります。

αトコフェロールを多く含むのは、アーモンドやナッツ類、ウナギなどの魚介類、かぼちゃなどの緑黄色野菜、他にアボカドにも多く含まれるため、比較的身近な食材から摂取しやすいと言えます。日常的な食事で摂取しても良いでしょうし、アーモンド類は間食にもおすすめです。

また、ビタミンEは酸や熱にも強いという特徴を持っているため、調理によって損失することはほとんどなく、どのような調理方法でも問題ないと言われています。

ビタミンEの摂取に関する注意点

ビタミンEの過剰摂取は骨粗鬆症の発症を招く可能性があるとされています。慶應義塾大学にて行われた、マウスとラットを用いた実験によると、ビタミンEを添加したエサを8週間投与したところ、骨粗鬆症を発症した、という報告があります。

どの程度の摂取が過剰摂取に当たるのかという点については、下記のように述べられています。

我々の実験ではラット一匹当たり、一日10mgのビタミンEを投与しました。ラットの体重は約500gですから、これは体重50kgのヒトでは、一日あたり1000mgのビタミンEを摂取することに相応します。我が国において、成人男性におけるビタミンE摂取上限量は900mgと規定されていますが、海外で販売されているサプリメントの中には1000mgのビタミンEを含有する物もあります。したがって、一部のサプリメントなどの摂取で骨粗鬆症を発症する可能性も否定はできません。

出典:竹田 秀(腎臓・内分泌・代謝内科)|ビタミンEは骨を減らす?

ビタミンEは食品による過剰摂取はあまり考えられませんが、注意したいのはサプリメントを利用する場合。適正な摂取量を知った上で適切に使用するようにしてください。

また、ビタミンEは光に弱いという性質があります。そのため、ビタミンEを多く含む食品を保存する際には光の当たる場所を避けることが必要であると言えるでしょう。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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