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何で判断するのですか?
  

老化による物忘れと認知症の違いは、
何で判断するのですか?

物忘れか認知症かを判断する
基準とは?

加齢とともに見られる一般的な物忘れと、病気としての認知症を見分けるポイントはあるのでしょうか?例えば日々の中でも、買い物で必要な食材をうっかり買い忘れたり、約束の時間を間違えたりしてしまうことがありますが、心配すべきことなのか問題ないのか分かりません。明確な違いが知りたいです。

このページの回答監修医

伊藤幹彦医師

伊藤 幹彦 先生

日本医師会認定産業医、日本循環器学会認定循環器専門医
伊藤メディカルクリニック院長
よりくわしい監修者情報>>
・伊藤メディカルクリニック所在地: 東京都新宿区上落合2-25-3 伊藤ビル101
・問い合わせ電話番号:03-3361-6318
伊藤メディカルクリニック 公式HPはこちら>>

症状が日常生活に支障をきたすか、きたさないかは、ひとつの判断基準です。

女性

なぜ物忘れが起こるのでしょうか?

医者

加齢やストレスが原因で、脳の機能が低下していくからです。

「人の名前がすぐに出てこない」といった物忘れ。人間の記憶力のピークは20歳代で、その後はゆるやかに減退していくのが特徴です。この原因は、加齢やストレスによるものだとされています。

加齢、つまり老化による物忘れは、脳機能の低下によって起こります。
年齢を重ねるに伴って脳細胞の働きが鈍くなり、人の名前や物の置き場所などがすぐに出てこなくなるのです。これは加齢による自然現象であり、生理的健忘と呼ばれる誰にでも起こりうること。記憶力の低下以外は目立った症状がなく、何かを忘れていることを自覚しているのが特徴です。

また、この物忘れは疲労やストレスによっても起こります。ストレスが蓄積していたり、ハードワークや寝不足などで疲労がたまっている状態だと、脳機能が低下して物忘れが多く見られるようになります。
また、疲労やストレスが溜まると血流が悪くなり、脳に十分な栄養や酸素が行き届かなくなります。脳の栄養不足も物忘れの原因のひとつなので、十分に休息を取り、ストレスや寝不足の解消に努めるようにしましょう。

女性

加齢による物忘れと、病気としての認知症。
その違いはなんですか?

医者

大きな違いは、日常生活や社会生活に支障をきたすレベルか、そうでないかが大きいです。

加齢による物忘れと認知症、その大きな違いは「日常生活に支障をきたすレベルの物忘れかどうか」です。

加齢に伴う物忘れは自然な老化現象のひとつであり、記憶の流れからちょっとしたエピソードが脱落するような状態です。本人も忘れていることを自覚しており、日常生活に大きな影響はありません。

一方認知症の場合は、出来事そのものを忘れてしまうのが大きな特徴。経験したこと・体験したことそのものが、すっぽりと記憶から抜け落ちてしまうのです。
認知症の場合は、自分が「忘れている」という自覚がないまま、仕事や家事といった普段できていたことができなくなり、日常生活に支障をきたすようになります。記憶のある・なしが原因となって、人間関係でのトラブルが発生することもしばしばです。

一般的な物忘れのレベルであれば、自覚症状があるので何らかの対策を取ることができます。しかし、日常生活に支障をきたすレベルの場合は、周囲はもちろん本人も戸惑いを感じています。
早期の対応が必要となりますので、早めに専門医への相談・受診を考えたほうがよいでしょう。

女性

加齢による物忘れの具体例と、認知症による物忘れの具体例を教えてください。

医者

例えば、記憶の一部を忘れるのが加齢による物忘れで、記憶全部が抜け落ち、出来ていたことができなくなるのが認知症による物忘れ。

加齢による物忘れと認知症による物忘れには、大きな違いがあります。
それは、「体験の一部を忘れている」か、「体験したことすべてを忘れている」かどうかです。

加齢による物忘れでは、体験したことすべてを忘れることはありません。具体的な例を挙げると、「数日前に朝食を食べたことは覚えているがメニューを思い出せない」「人と会った事は覚えているが名前がすぐに出てこない」「約束したことは覚えているが、日時や場所を思い出せない」「本を読んだことは覚えているがタイトルが思い出せない」といったものです。
何かしらのヒントがあると、思い出せるのが特徴です。

しかし、認知症による物忘れは、体験したことすべてを忘れてしまいます。つまり、「食事を取ったのに、まだ食べていないと思い込む」「人の顔が認識できない、誰だかまったく思い出せない」「約束したこと自体を忘れてしまう」「本を読んだという記憶がない」といった状態です。
ヒントを与えられても思い出すことができず、日常生活や人付き合いにも支障をきたすようになります。

女性

どういった症状が起こったら、医療機関へ相談に行くべきですか?

医者

こんな症状が気になり始めたら、それは脳の老化シグナルかもしれません。
はやめに専門医へ相談しましょう。

認知機能が低下し始めると、日常生活の中で「なんだかおかしい」と思うことがしばしば出てきます。ここでは、認知症の人を家族に持つ「公益社団法人 認知症の人と家族の会」の会員の方が日々の暮らしの中で感じた、認知症の初期症状についてまとめてみました。思い当たる項目が多い場合は、早めに医療機関で相談することをおすすめします。

早期発見の目安(※1

【物忘れがひどい】
  •  1.今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
  •  2.同じことを何度も言う・問う・する
  •  3.しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
  •  4.財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
【判断力・理解力が衰える】
  •  5.料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
  •  6.新しいことが覚えられない
  •  7.話のつじつまが合わない
  •  8.テレビ番組の内容が理解できなくなった
【時間・場所が分からない】
  •  9.約束の日時や場所を間違えるようになった
  • 10.慣れた道でも迷うことがある
【人柄が変わる】
  • 11.些細なことで怒りっぽくなった
  • 12.周りへの気づかいがなくなり頑固になった
  • 13.自分の失敗を人のせいにする
  • 14.「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた
【不安感が強い】
  • 15.ひとりになると怖がったり寂しがったりする
  • 16.外出時、持ち物を何度も確かめる
  • 17.「頭が変になった」と本人が訴える
【意欲がなくなる】
  • 18.下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
  • 19.趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
  • 20.ふさぎ込んで何をするのも億劫がり、いやがる

先生の答えを聞いた質問者さんは…

認知症の初期症状を知り、早期対応を心がけます。

老化による物忘れと認知症には、大きな違いがあることが分かりました。しっかりと違いを知っておくことが、早期発見・早期対応のポイントですね。家族だけでなく、自分の行動についてもこまめにチェックしたいと思います。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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