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認知症は遺伝しますか?

認知症と遺伝の関係性に
ついて知っておきたい

身内に認知症の人が複数います。「もしかしたら自分も将来認知症になるのでは…?」と日々不安が募ります。認知症は遺伝する病気ですか?認知症と遺伝の関連性について教えてください。

このページの回答監修医

菅原道仁医師

菅原 道仁 先生

日本脳神経外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医
菅原脳神経外科クリニック院長
よりくわしい監修者情報>>
・菅原脳神経外科クリニック所在地:
東京都八王子市万町175-1 八王子クリニックビレッジ内
・問い合わせ電話番号:042-622-3000
菅原脳神経外科クリニック 公式HPはこちら>>

中には遺伝的な要因による認知症もありますが、ごくわずか。あまり気にしすぎる必要はありません。

女性

70代の母が、アルツハイマー型認知症と診断されました。
いずれ私も……と心配なのですが……。

医者

アルツハイマー病の原因はまだ完全には解明されていません。生活習慣を整えることが、予防の一歩になります。

アルツハイマー型認知症の原因については、まだ解明されていない部分が多くあります。その発症原因もひとつではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
たしかに親から子へ遺伝するタイプの認知症は存在しますが、ほとんどの認知症に明確な遺伝性は認められていません。家族が認知症であってもその子どもが認知症を発症するとは限りませんし、発症したとしても遺伝の可能性は低いものなのです。

つまり、まだハッキリした原因が分かっていない以上、認知症の遺伝を気にしすぎる必要はないと言えます。遺伝よりも、密接な関係性があると分かっている、生活習慣病の予防に力を入れたほうが建設的です。
とくに年齢を重ねるとともに増えていく高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病は、認知症のリスクを上昇させることが判明しています。これらの症状は生活習慣を整えることで予防をすることができますから、すぐにでも食事や運動といった生活習慣を見直してみましょう。認知症予防への取り組みは、早ければ早いほど効果的とされています。

女性

「家族性アルツハイマー病」とは何ですか?
遺伝するアルツハイマー型認知症のことでしょうか。

医者

遺伝的な素因の可能性が高いアルツハイマー病のことを、家族性アルツハイマー病と呼びます。

アルツハイマー型認知症の平均的な発症年齢は70~80歳代ですが、なかには40~50歳代という比較的若い年代で認知症を発症するケースがあります。こういった患者の家系はアルツハイマー型認知症の原因となる「遺伝子変異」を持っていることが多く、子孫に受け継がれていくため、家族型アルツハイマー病と呼ばれています。

しかし、ほとんどのアルツハイマー型認知症は遺伝性ではなく孤発性。遺伝性の家族性アルツハイマーの発症率は、約1%と非常に低い数値となっています。つまり、遺伝ではなく、環境や生活習慣といったその他の要因が原因であると考えられているのです。

家族性アルツハイマーの特徴は発症年齢が若いということ。もし家族にアルツハイマー型認知症が多かったとしても、一般的な発症年齢と同じ70~80歳代で発症したのであれば、遺伝である可能性は低いと言えるでしょう。

ただし、家族で40~50歳代でアルツハイマーを発症している人が多い場合は、遺伝性の可能性が高くなります。家族性アルツハイマーは進行速度が速いため、気になる場合は、専門医に相談してみましょう。

関連ページ: 【認知症の種類と特徴】アルツハイマー型認知症

女性

遺伝が原因で起こりやすい認知症はありますか?

医者

欧米諸国では、前頭側頭葉変性症は30~50%の患者さんに家族歴があると認められています。

認知症の中には、前頭側頭型認知症と呼ばれるものがあります。この前頭側頭型認知症は遺伝が関係する病気と言われており、海外では30~50%の患者に家族歴が認められています。
しかし、日本において家族歴が認められるケースはほとんどないのが特徴です。

この前頭側頭型認知症とは、神経細胞がダメージを受け脳の中の前頭葉と側頭葉の部分が委縮し、機能の低下が見られる認知症です。脳の神経細胞にピック球と呼ばれる物質が見られる場合は、ピック病型認知症と呼ばれることもあります。
この前頭側頭型認知症は50代という比較的若い年代で発症することが多く、「他人への配慮ができなくなる」「状況を無視して自分勝手な行動をとってしまう」「暴言や暴力をふるうことが増える」といった症状が特徴的。50代というとまだまだ社会的にも現役世代のため、職場などでのトラブルが多くなるといったケースも見られます。

今の段階で前頭側頭型認知症を根治する方法はありませんが、薬物療法や行動療法などが効果的なケースもあります。特徴的な症状が見られたら、早めに専門医へ相談することをおすすめします。

関連ページ: 【認知症の種類と特徴】前頭側頭型認知症

女性

認知症発症前に、遺伝子検査で発症リスクを調べることはできますか?

医者

アルツハイマー病発症リスクを調べる「APOE遺伝子検査」という自由診療の検査はあります。

日本における認知症のほとんどを占めているのが、アルツハイマー型認知症です。その原因は加齢に伴ってアミロイドβという異常たんぱく質が脳内に蓄積し、正常な神経細胞が損傷を受けることで発症すると言われています。
そのアミロイドβの蓄積に深く関与していると言われているのがAPOE遺伝子。APOE遺伝子検査とは、この遺伝子の型を調べることでアルツハイマー型認知症の発症リスクを調べる検査となります。

APOE遺伝子にはε(イプシロン)2、ε3、ε4の3つがあり、ε4をひとつでも持っていると発症リスクが高まるとされています。日本人の約15%はε4をひとつ以上持っていると言われていますが、ε4を持っているすべての人がアルツハイマー型認知症を発症するワケではありません。

APOE遺伝子検査は保険の適用外となり、すべて自費診療となります。検査費用は医療機関によって異なりますが、2万円前後が相場のようです。検査は血液検査となり、5mlほどの血液を採取するだけ。医療機関にもよりますが、およそ2~3週間ほどで検査結果を受け取ることができます。

先生の答えを聞いた質問者さんは…

遺伝を気にするより、生活習慣の改善を意識していきます!

たしかに遺伝性の認知症はあるみたいですが、その発症率よりも、生活習慣が原因となっている認知症のほうがよっぽど発症リスクが高いことが分かりました。遺伝についてはあまり気にしすぎないようにし、食生活・運動といった習慣を見直すことで認知症予防に努めたいと思います。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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