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「軽度認知障害(MCI)」の症状とは?

最近物忘れが気になる…
軽度認知障害ですか?

年齢を重ねると共に気になってきた物忘れ。この物忘れと軽度認知障害(MCI)は同じものなのでしょうか。軽度認知障害と単なる物忘れの違いがあまり判りません。どういった症状が出てくると要注意なのでしょうか。

このページの回答監修医

菅原道仁医師

菅原 道仁 先生

日本脳神経外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医
菅原脳神経外科クリニック院長
よりくわしい監修者情報>>
・菅原脳神経外科クリニック所在地:
東京都八王子市万町175-1 八王子クリニックビレッジ内
・問い合わせ電話番号:042-622-3000
菅原脳神経外科クリニック 公式HPはこちら>>

軽度認知障害(MCI)の主な症状は、認知機能の低下。
具体的には、記憶障害や注意力の低下などです。

女性

最近物忘れが増えてきたように感じて不安です。
軽度認知障害(MCI)の主な症状を教えてください。

医者

下記のような症状が気になりはじめたら、軽度認知障害(MCI)の可能性も。
チェックしてみましょう。

軽度認知障害は、認知症の一歩手前の段階と言われている状態。Mild Cognitive Impairmentの略称で、MCIと呼ばれることもあります。いわゆる物忘れといった認知機能の低下は見られるものの、まだ認知症と診断されるような状態ではなく、日常生活が困難になるほどのレベルではありません。

軽度認知障害の特徴的な症状は以下の通りです。

  • 会話の中で同じ話題を出すことが多くなった
  • 同じ質問を繰り返してしまう
  • 最近あった人、知人の名前を思い出せない
  • ものを置き忘れたり、しまい忘れることが多くなった
  • スケジュールや金銭の管理ができなくなった
  • 外出するときのファッションやヘアスタイルが適当になった
  • 元気がなく、趣味などの活動を楽しめない
  • 料理や家事などが段取りよく進められない
  • 道に迷うことが多くなった

軽度認知障害(MCI)と、加齢に伴う物忘れ(生理的健忘)は似たような症状が多く、「年齢のせいだから」などと見逃されてしまうケースが多々あります。軽度認知障害はアルツハイマー以外の認知症にも移行する可能性があるため、早期に発見し、適切な対策を行うことが重要です。

女性

軽度認知障害(MCI)かどうか、チェックする方法はありますか?

医者

軽度認知障害(MCI)は早期発見がキモ。気になったときは、なるべく早く専門医に診断してもらいましょう。

自分や家族が軽度認知障害(MCI)であるかどうかの判断は、医療機関で専門的な診察・検査を受けてみることが必要です。一般的な物忘れとの区別もしにくいため、「もしかしたら軽度認知障害かもしれない…」という心当たりがあるなら、早期発見のためにも、ぜひ一度専門医の診察を受けてみましょう。

軽度認知障害の相談や診察については、「もの忘れ外来」という専門外来があります。老年期外来、メモリー外来といったさまざまな名称がありますが、診察する内容はほとんど同じです。
もの忘れ外来は、認知症を診断するための検査・治療などを専門に行っているため、軽度認知障害のチェックをしたい人にもおすすめです。もし、もの忘れ外来が身近にない…といった場合は、かかりつけ医、もしくは内科、精神神経科、脳神経外科などで相談してみるのもよいでしょう。

軽度認知障害は、日頃から注意していてもなかなか予防できるものではありません。そのため、もの忘れ外来での相談や検査は、軽度認知障害の早期発見・早期対応にとても役立ちます。気になる症状があるなら本人・家族にかかわらず、早めに受診してみることをおすすめします。

女性

軽度認知障害(MCI)は病院でどのような検査をするのですか?

医者

本人や家族への問診、スクリーニング、脳の画像検査など、多角的な検査から診断します。

医療機関における軽度認知障害(MCI)の検査は、問診、神経心理学検査、スクリーニング検査、CTやMRIといった脳の画像診断の結果を組み合わせて、症状を多角的にチェックするのが特徴です。さまざまな角度から症状をチェックすることにより、軽度認知障害の早期発見につなげていきます。
どのような検査をするのかについて、以下にまとめてみました。

  • 問診
    本人や家族から、どのような症状が気になるのか、いつから気になりだしたのか、生活で困っていることはないか、といった情報をヒアリングします。
  • 一般検査
    尿検査、心電図検査、尿検査、内分泌検査など、全身の状態をみるための検査を行います。
  • 神経心理学検査
    計算や図形の描写などで認知機能障害の有無を調べるMMSE(ミニメンタルステート検査)、見当識や記憶に関する9つの質問に答える改訂長谷川式簡易知能評価スケールなどを利用した検査を行います。
  • 画像検査
    CTやMRIといった機器を用いて、脳の状態がどうなっているのかを調べます。
  • MCIスクリーニング検査(血液検査)※自費診療となります
    神経細胞に障害を与えるアミロイドβペプチドの排除や毒性を弱める機能を持つ3つのタンパク質を調べることで軽度認知障害(MCI)の危険性を測定する検査です。血液検査で行います。
  • その他の検査
    必要に応じて、脳の血流を調べる脳血流SPECT検査、アミロイドβの蓄積を測定するPET検査などを行うこともあります。
女性

軽度認知障害(MCI)と診断されました。認知症にならずに、治すことはできますか?

医者

軽度認知障害(MCI)の診断を受けた人すべてが認知症となるわけではありません。放置せず、生活改善を。

もし軽度認知障害(MCI)と診断されたとしても、すべての人が認知症になるわけではありません。
ただ、一般的な物忘れとは明らかに異なるため、放っておけば将来的に認知症になるリスクは高まります。しかし、軽度認知障害であることに早めに気づければ、認知症を予防するための対策を早期からスタートできるというメリットがあります。
そのために必要なのが、生活習慣の改善です。

まずは健康的な食生活を送ること。認知症のリスクは生活習慣病と深い関連性があるため、糖尿病・高血圧・肥満といった症状を防ぐための食生活を心がけましょう。
とくに米・パン・麺類・お菓子といった糖質や、塩分の取りすぎには要注意。炭水化物を減らして野菜・青魚・大豆製品といった食材を増やし、できるだけ薄味のメニューに移行していきましょう。

また、運動不足も認知症のリスクを高める要因です。適度な運動で血流を促進し、健康的な脳機能の維持を目指しましょう。
毎日のちょっとした心がけで、認知症の発症リスクは十分に抑えることができます。軽度認知障害だからと落ち込まず、予防対策に力を入れてみてください。

先生の答えを聞いた質問者さんは…

軽度認知障害の早期発見が大切なのですね

軽度認知障害は認知症の一歩手前の状態ですが、早期発見できれば認知症発症のリスクを抑えられることが分かりました。日頃から軽度認知障害の症状を意識し、気になることがあればもの忘れ外来などで相談・検査を受けてみたいと思います。早め早めの対処が大切なのですね。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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