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認知症予防に脳トレは効果がありますか?

クロスワードパズルや
数独などのトレーニング問題(脳トレ)は、
本当に認知症予防になっているの?

これまでパズルやゲームといった頭を使う脳トレは、認知症予防に効果がある、と漠然と信じていましたが、最近「脳トレに認知症予防効果なんてない」という記事を読みました。本当のところはどうなのでしょうか?

このページの回答監修医

伊藤幹彦医師

伊藤 幹彦 先生

日本医師会認定産業医、日本循環器学会認定循環器専門医
伊藤メディカルクリニック院長
よりくわしい監修者情報>>
・伊藤メディカルクリニック所在地:東京都新宿区上落合2-25-3 伊藤ビル101
・問い合わせ電話番号:03-3361-6318
伊藤メディカルクリニック 公式HPはこちら>>

脳トレが認知症予防に効果があるという確固たるエビデンス(根拠)は、まだありません。

女性

脳トレが効果がない、という研究結果が出たというのは本当ですか?

医者

2018年に、イギリスの医学誌で、脳トレの脳機能低下予防効果は否定されたことがあります。

脳トレとは脳トレーニングの略称で、代表的なものにクロスワードや数独といったものがあります。こうしたパズルやゲームなどの脳トレを続けることは、脳機能の維持・向上に役立つとされてきましたが、実はその効果を裏づける研究結果はないのが現状です。

2018年にイギリスの医学誌「BMJ」にて公開された、イギリス・グランピアン州国民保健サービス(NHS)およびスコットランド・アバディーン大学などによる研究があります。
子どもの頃に集団知能テストを受けた498人を対象としており、対象者が64歳の頃に調査をスタート。以降、15年間にわたって5回の記憶力・処理能力テストを行ったところ、「パズルを解いても個人の知能低下は防げない」ことを示唆しました。

ただし、継続的に知的刺激の高い活動を行っている人は、高齢になっても脳機能がある程度活発であることも分かっています。とくに頭と指先を同時に使うような活動が効果的と言われているため、楽器演奏・手芸・陶芸・コンピューター作業・ガーデニングといったものを趣味にし、長く続けるようにするとよいかもしれません。

女性

最近の研究では、脳トレが脳に良い効果があると発表されたと聞いたのですが…

医者

はい。2019年、今度は老年精神医学の医学誌で、脳トレが知力低下予防に効果ありとも発表されました。

「脳トレに脳機能の低下を予防する効果はない」という研究が発表されたのが2018年。その翌年である2019年に、今度は学術誌「International Journal of Geriatric Psychiatry」にて、「脳トレは知力低下の予防に効果がある」という調査結果が発表されました。

これはイギリスのエクセター大学のアン・コーベット博士による研究で、博士は2年間にわたり、クロスワードパズルや数独などを定期的に行っている50~93歳の被験者1万9,078人を対象に調査を実施。被験者に14種類の認知テストを受けてもらったところ、日頃から脳トレに取り組んでいる人ほど良好な成績を収めていることが分かったのです。
ちなみにパズルを定期的にやっている人は、やっていない人に比べて短期記憶が8歳、文法的推論能力については10歳若かったというデータが出ています。

この研究を受けてアン・コーベット博士は、「クロスワードや数独といった脳トレ習慣が必ずしも認知症予防につながるとは言えないが、こうした活動が脳機能の維持を助けるという、過去の発見を裏付けるものである」としています。

女性

結局、脳トレは認知症予防に効果があるのでしょうか?

医者

現在のところ、まだ立証されていません。脳トレが脳機能にどのような効果をもたらすかの研究は、世界中で引き続き行われ続けています。

雑誌やテレビ番組などで、脳を活性化させると人気を集めている脳トレ。しかし脳トレによる脳機能低下の予防効果についてはまだ研究段階で、ハッキリとした効果は立証されていません。世界中のさまざまな機関で調査や研究が行われているので、その結果が待たれるところです。

今のところ、認知症予防として効果があるとされているのは、食習慣と運動習慣の改善です。
また、まだエビデンス(効果の根拠)は立証されていませんが、いきいき楽しめる趣味を持つこともおすすめです。そのひとつして、パズルやゲームといった脳トレに取り組むことはもちろん、時には友人や家族を誘って一緒に楽しんだり、脳トレのサークル活動に参加するのも◎。脳トレを通して人や社会とのコミュニケーションが生まれるのは良いですね。

脳トレを習慣化するなら、楽しみながら行えることがとくに大切。自分のレベルや好みに合わせて種類や難易度を選ぶなどし、楽しく続けられるよう工夫をしてみましょう。

女性

脳トレよりも認知症予防効果がある趣味はなんですか?

医者

いくつになっても好奇心を持ち、様々なことにチャレンジしたり学んだりすることが、人生を豊かにし、脳にも良い刺激になるはずです。

知的活動を行うことが認知症予防につながる、といった事実はまだ立証されていません。ただ、好奇心を持っていろいろなことに挑戦すること、いくつになっても学びや楽しみを見つけて社会と積極的に関わりを持つことは、脳機能を若々しく保つうえでとても大切なことです。

しかし、「いきなり趣味を見つけろと言われても…」と思う人もいるでしょう。そんな人は、昔にちょっとだけやったことのある趣味・習い事などを思い出してみてください。
楽器演奏、カラオケ、イラスト、書道、パッチワーク、俳句、ダンス、料理など、何でも構いません。一度経験したことのあるものは、少し復習するだけでそのコツを思い出せたりするものです。

「何もやった経験がない」という人は、ちょっとでも面白そうだと思ったものにチャレンジしてみてはどうでしょう。体力づくりのために登山やアウトドアレジャーを始めてみたり、テニスやスイミングスクールに通ってみたり、カメラやスケッチブックを持って旅行へ行くのもよいでしょう。友人や家族など、同じ趣味を共有できる人がいると楽しさも倍増です。

「楽しむ」という行為は、脳にとてもよい影響を与えます。もう若くないから…などと思わず、どんどん新しいことに挑戦し、生きがいと言えるような趣味を見つけてみてください。

先生の答えを聞いた質問者さんは…

脳トレにこだわらず楽しめる趣味を探します!

脳トレの認知症予防効果はまだハッキリしていないとのことですが、積極的になんらかの知的活動を続けることは、脳にもよい影響を与えるんだなと感じました。認知症予防のために体力づくりも兼ねて、家族と登山やハイキングに挑戦してみようかな…と思います。
料理も、食習慣の改善も兼ねて楽しめるので、料理教室に通ってみるのも楽しそうですね!

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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