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認知症になりやすい人のタイプとは?

認知症リスクが高いのは
どんな人か

「こういう人は、認知症になる危険性が高い」という情報があれば、予防のためにもぜひ知っておきたいです。認知症になりやすい人、気をつけたい行動を教えてください。

このページの回答監修医

小川惇郎医師

小川 惇郎 先生

日本糖尿病学会 糖尿病専門医
日本内科学会 総合内科専門医
白金台おがわクリニック院長
よりくわしい監修者情報>>
・白金台おがわクリニック所在地:東京都港区白金台3-8-3
・問い合わせ電話番号:03-6447-7081
白金台おがわクリニック 公式HPはこちら>>

「認知症は生活習慣病」という医師もいるほど、生活習慣が密接に係わる病気。メタボや高血糖、糖尿病を放置している方は要注意です。

女性

「こういう人はとくに認知症に注意」という人はどんな人ですか?

医者

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病にかかっている方、またはそれらの病気にかかる心配がある方です。

食事・運動・喫煙・飲酒などの生活習慣が原因とされている、糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病。この生活習慣病にかかっている人や、診断される一歩手前の予備軍と呼ばれるような人は、認知症になりやすいタイプと言えます。

厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば、糖尿病が強く疑われる成人患者数は、2016年の時点で推計1,000万人超いるとしています。予備軍も含めると、累計2,000万人とも(※1)。糖尿病があると認知症になりやすい理由にはいくつかありますが、ひとつは血糖値が高いことによって動脈硬化が進行してしまい、血管性認知症の引き金となる脳梗塞などの脳血管障害を起こしやすくなります。

高血圧症とは、血液が血管にかける圧力が高くなる病気です。この状態が続くと血管壁がダメージを受け、動脈硬化が促進します。血中の中性脂肪値やコレステロール値が多くなる、脂質異常症も動脈硬化を促進する原因のひとつです。動脈硬化が進むと血管がもろくなり、脳出血・心筋梗塞といったリスクが上昇。それに起因する、血管性認知症のリスクも上昇するといった具合です。

この糖尿病・高血圧・脂質異常症は同時に発症することも多く、合併するとさらに認知症を発症しやすくなることが分かってきています。健康診断などで生活習慣病を指摘されている人は、認知症になりやすい人と言えるので注意が必要です。

女性

運動嫌いで家にいるのが好きな人は、認知症になりやすいタイプなのでしょうか。

医者

慢性的な運動不足は、脳の老化を速めてしまいます。自分にできる範囲で、適度な運動を習慣化してください。

若い頃はよく体を動かしたけど、年齢と共に動かなくなった…という人は多いのではないでしょうか。実は、中年期以降に慢性的な運動不足になっている人は、認知症になりやすいタイプといえます。これを裏付ける研究結果が、アメリカのボストン大学の研究チームから発表されています。

この調査は、1970年代から行われている「フラミンガム子孫研究」という、心臓血管系疾患リスクに関する研究の参加者。平均年齢40歳の、583人の男女です。この参加者にランニングマシンで運動を行ってもらい、運動中に体に取り込まれる酸素の最大量を測定、運動能力の高さで2つのグループに分けました。
それから20年後、2つのグループに同様の調査を実施。さらにMRIで脳の状態をチェックしたところ、40歳の時点で運動能力が低いと評価された人は、高いと評価された人よりも早く脳が委縮していたのです。

この調査によって、健康な脳機能の維持には若い頃からの運動習慣が重要であるということが判ります。もちろん運動を始めるのは、何歳からでも構いません。「今さら運動をしても遅いのでは?」などと思わず、ご自身の出来る範囲で、毎日の習慣に運動を取り入れてみてください。

女性

喫煙は認知症にも関係がありますか?

医者

タバコは動脈硬化を促進するので、脳血管に障害を起こしやすくなります。結果、血管性認知症になりやすいといわれています。

認知症になりやすい人の生活習慣に、喫煙があります。タバコは「百害あって一利なし」と言われていますが、認知症予防の観点から見てもそう。
タバコを吸うと、たばこに含まれるニコチンという成分の影響で血管が収縮。すると、血流が悪くなって体の隅々にまで血液が行き届かなくなり、脳にも十分な酸素・栄養が供給されなくなります。つまり、タバコを吸えば吸うほど脳の血管はダメージを受けることになり、動脈硬化も進行。脳梗塞・脳出血といった脳血管障害を起こしやすくなり、その結果、認知症のリスクが跳ね上がるというワケです。
また、喫煙は血中のブドウ糖や脂質の代謝を低下させるため、糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病のリスクも高まります。

九州大学が福岡県の久山町の住民を対象に行っている調査(久山町研究)では、タバコを吸う平均年齢72歳の高齢者を15年にわたって調査したところ、タバコを吸わない人に比べて認知症になる確率が2倍も高いことが分かっています。
長い間タバコを吸っている人の中には「今さら禁煙しても遅い」と思う人もいますが、1日でも早くタバコをやめることで、認知症のリスクが下がることを覚えておきましょう。

女性

家の中で引きこもっていると、認知症になりやすいとは本当ですか?

医者

社会との接触が慢性的に乏しかったり、うつ状態が続く人は、認知症になりやすいという研究結果も発表されています。

日頃から人と接する機会が少なかったり、「会話をするのが面倒くさい」「外出したくない」と家に引きこもったり、「なんとなく気分が落ち込む」といった慢性的なうつ状態の人は、認知症になりやすいタイプと言われています。

ある研究によると、社会的参加の少ない高齢者は、積極的に社会参加をしている高齢者に比べて認知症を発症するリスクが2倍も高いという結果が出ています。
また、認知症研究の権威が集まるランセット委員会の「修正可能な認知症の9つの要因」でも、老年期における社会的接触の欠如は、認知症のリスクを高める要因のひとつであるとしています。

さらに、年齢を重ねると「深刻な健康問題」「家族や友人の死」「熟年離婚」といったショッキングな出来事が起こることがあります。このようなつらい体験に遭遇すると気持ちが落ち込むだけでなく、脳の老化が進むという研究結果もあります。
これはアメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校のショーン・ハットン氏らの研究ですが(2015年5月American Journal of Psychiatryに掲載)、先に挙げたようなネガティブなイベントを1回経験するごとに、脳の老化は4ヶ月も早まることが分かっています。

年齢とともにネガティブなイベントは増えるものですが、それに伴う気分の低下を放置しないようにしましょう。

先生の答えを聞いた質問者さんは…

心身共に健康的な生活を心がけることが、将来的な認知症予防につながるんですね

認知症になりやすいタイプを知ることは、認知症になりにくいタイプを知るといいうこと。健やかな体と心を持っている人が、認知症になりにくい人なのですね。メンタルヘルスも認知症予防に重要であることが分かったので、年をとってもイキイキと暮らせるよう、これからは積極的に社会参加をしていきたいと思います。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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