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うつ病と認知症

うつ病と
認知症発症リスクの関係は?

心の病の中でも、とくに多く見られるうつ病。一般的には若年層や女性に多く見られるとされていますが、日本では中高年で発症する頻度が高く、社会経済的影響の大きさが問題となっています。ここではそんなうつ病と認知症にはどのような関係があるのか、発症のメカニズムや予防法と合わせて解説していきます。

うつ病と認知症の関係

まずうつ病とは

うつ病とは脳の働きに何らかのトラブルが起きた状態で、心と体にさまざまな症状が見られる状態。心の症状として代表的なのは、「気分が落ち込む」「物事への興味が薄れる」「喜びの喪失」「不安、焦燥感」「おっくう感」など。体の症状としては、「食欲の減退」「睡眠障害」「疲労感」「動悸や息苦しさ」「肩や頭の重み」などが見られます。一時的にこのような状態に陥ることは誰にでもありますが、時間の経過とともに自然と回復するものです。しかし、うつ病の場合は時間の経過とともに症状が悪化するなど、改善の兆しが見られないのが特徴です。

うつ病と認知症の関係

うつ病を発症するとさまざまな症状が原因となり、これまでできていた生活や仕事ができなくなることがあります。この症状は、認知症と非常によく似ています。実際、認知症の疑いで医療機関を受診する人の中には、うつ病が隠れていることも少なくないようです。ちなみに、うつ病による認知機能の低下を「仮性認知症」といい、認知症との鑑別が難しくなっています。

うつ病を疑うポイントは、表情が暗く、睡眠障害・疲労感・倦怠感・頭痛・食欲低下を訴えている場合。朝は調子が悪いが、夕方にかけて元気になってくるのもうつ病の特徴です。医療機関で認知機能検査を受け、CTなどの画像検査でも異常がなければうつ病の可能性が高まります。

非常に似た症状を持ち、密接な関係があるうつ病と認知症ですが、もちろんこの2つは違う病気です。治療法も使用する薬剤も異なります。素人判断で対応してしまうと適切な処置が遅れてしまうこともあるので、気になる症状がある場合は必ず専門医に相談しましょう。

うつ病はなぜ起こる?発症の原因とメカニズム

うつ病は、脳に何らかの問題が起きることで発症すると言われていますが、ハッキリとした原因はまだよく分かっていません。しかし、これまでの研究によると、脳内の神経伝達物質に異変が生じているのでは…と言われています。

神経伝達物質とは、脳の神経細胞から神経細胞へ情報を伝達する際に使われる物質のこと。いわば、情報の伝達係です。神経細胞にとっての情報には、感情・記憶・意欲・言語・理性・意識・思考などがあり、これらの情報を神経伝達物質が運ぶことにより、人間はさまざまな行動ができています。

神経伝達物質にはさまざまな種類があり、なかでもうつ病に関係していると考えられているのはセロトニンとノルアドレナリンです。この2つの神経伝達物質には、気分や意欲をコントロールする働きがあると言われていますが、何らかの原因によってその機能が低下すると、バランスが崩れてセロトニンとノルアドレナリンの量が減少。情報がうまく伝わらなくなり、感情をコントロールできなくなることでうつ病を発症すると言われています。

うつ病の原因、つまり神経伝達物質の機能低下を招く原因として、もっとも大きいとされるのが環境要因です。これには大切な人の死をはじめとするショックな出来事、人間関係や家庭内での問題、職場や家庭内での環境変化などが挙げられます。また、その人が持つもともとの性格(几帳面である、生真面目、義務感が強いなど)や、高血圧・糖尿病といった慢性的な疾患などが複雑に絡み合うことで、発症のリスクが高まるとも言われています。

うつ病は重症になればなるほど脳の機能が低下し、自分自身で異常に気づくことが難しくなります。早めに異常のサインをキャッチし、早期対応を心がけましょう。

認知症予防のためにうつ病が気になる人が行いたいこと

うつ病の原因にはさまざまなキッカケがありますが、とくに気をつけたいのがストレスです。ストレスが溜まると「倦怠感」「胃腸のコンディションの悪化」「食欲が減退する」「頭痛や肩こり」「よく眠れない」「イライラする」「落ち着きがなくなる」「悲観的になる」などの症状が出てきますが、こういった症状を放置することなく、早めに解消や軽減を図ることが大事。好きな趣味やスポーツを楽しむなど、自分なりのストレス解消法を見つけておくとよいでしょう。

自分ひとりではどうしようもない…といった場合は、抱え込まずに誰かに相談すると◎。家族や友人に愚痴を聞いてもらうのもよいですし、話しづらい内容であればカウンセリングサービスなどを利用するのもひとつの手段です。話を聞いてもらうだけでも気分がスッキリし、ストレスの解消につながることもあります。

また、うつ病と関係が深いとされる神経伝達物質セロトニンは、運動をしたり太陽光を浴びるとその分泌が活発になります。家に引きこもりがちな人は散歩やウォーキング、公園などでの軽い運動などを日常生活に取り入れ、適度に体を動かすようにしてみましょう。ストレス解消にもつながりますし、心身のよいリフレッシュになります。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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