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糖尿病と認知症

糖尿病と
認知症発症リスクの関係は?

認知症の発症リスクを高める生活習慣病として、とくに注目されている糖尿病。糖尿病の主な原因は食生活と思われていますが、実はその他にも発症の原因となる要素があるのです。ここでは認知症と糖尿病の関係や、糖尿病がなぜ起こるのかといったメカニズム、認知症予防のために心がけたいことについてまとめています。

糖尿病と認知症の関係

まず糖尿病とは

糖尿病とは、血液中のブドウ糖量(血糖)が慢性的に多い状態。血糖値を下げるホルモンであるインスリンがうまく働かなくなることで発症します。血糖値の高い状態が続いていると糖尿病と診断されますが、その目安となる数値は以下の通り。

・空腹時血糖値:126mg/dl
・HbA1c: 6.5%以上

空腹時血糖値とは、10時間以上絶食したあとに測定した早朝空腹時の血糖値。HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)とは、過去1~2ヶ月間の血糖値を反映した数値となります。HbA1cの正常な数値は4.3~5.8%となっており、この数値が高いほど高血糖の状態が続いていたことになります。ちなみに、空腹時血糖値・HbA1cの数値のうち、どちらか一方でも基準を満たした人は糖尿病の疑いありと診断されます。

糖尿病と認知症の関係

加齢に伴って、物忘れをはじめとする認知障害は多かれ少なかれ誰にでも見られるようになります。しかし、糖尿病を持つ高齢者の場合、血糖値の高い状態が続くことで認知機能低下のリスクが増加。もともと軽度の認知障害を持つ人が糖尿病になると、さらに症状が進みやすくなると言われています。

糖尿病があると認知症になりやすくなる理由にはいくつかの可能性がありますが、そのひとつはドロドロ血液。血液中のブドウ糖が増えると血液がドロドロして詰まりやすくなり、脳梗塞などの脳血管障害を起こしやすくなります。それをキッカケに、脳血管性認知症の発症リスクが高くなると考えられます。また、慢性的にブドウ糖の多い血液が全身を循環することによる糖毒性や、酸化ストレスが脳の神経細胞に悪影響を及ぼし、老化を早めているのではないか…という説もあります。

認知症は糖尿病の合併症と言われているほど、関係性の深い病気です。定期的に血液検査を受けるようにし、血糖値のコントロールに努めましょう。

糖尿病はなぜ起こる?その原因とは

糖尿病になる原因

糖尿病には大きく分けて1型糖尿病、2型糖尿病があり、それぞれ原因が異なります。

日本の糖尿病患者の約96%を占めるのが、2型糖尿病です。2型導尿病は「インスリンの働きが低下する」「インスリンの作用を阻害する物質が分泌される」といった遺伝因子と、食べすぎ・肥満・運動不足・ストレス・喫煙・加齢といった環境因子が重なって起きると言われています。

1型糖尿病は生活習慣と関連性がなく、その原因はウイルス感染などです。ウイルスなどによってインスリンを生成するすい臓のβ細胞が破壊されることにより、すい臓の機能が低下。その結果、インスリンの量が不足することで発症します。

糖尿病の症状

糖尿病の初期は目立った自覚症状がないため、自分の血糖値が高いことや、糖尿病になっていることに気づかないケースも多々あります。症状が現れるとしてもそのスピードは非常にゆっくりであるため、異常に気づきにくいのです。ちなみに、高血糖で見られる症状の一例は以下の通りです。

・のどが異常に渇く、水をよく飲むようになる
・排尿の回数が増える
・ちょっとしたことで疲れやすくなる
・体重が減少する

さらに高血糖の状態になると、意識障害起こることもあります。もし気になる症状がある場合は、一度専門医で検査を受けるようにしましょう。

注意したい食後高血糖

食事をすると誰でも一時的に血糖値が上がりますが、2時間ほどで正常値に戻ります。しかし、食後高血糖の場合は食後の血糖値がなかなか下がらず、長時間血糖値が高い状態となります。食後高血糖はインスリンの働きが低下しており、血糖値をもとに戻す力が弱い状態です。放置しておくと動脈硬化が進行し、脳血管性認知症の原因となることもあります。ちなみに食後高血糖は空腹時血糖値だけでは発見できないこともあるため、注意が必要です。

認知症予防のために糖尿病が気になる人が行いたいこと

さまざまな研究から、糖尿病患者とそうでない人では、糖尿病患者のほうが認知症になりやすいと言われています。とくに日本人が注意したいのは、生活習慣がキッカケとなって起こる2型糖尿病の予防です。国内で50年以上にわたって続けられている久山町研究によると、認知症になりにくい人は1回の食事で大豆・大豆製品、緑黄色野菜・淡色野菜、海藻類、牛乳・乳製品をよく食べており、白米やアルコールの摂取量が少ないことが分かっています。こういった食生活は糖尿病の予防としてもメリットが大きいため、参考にしてみるとよいでしょう。

また、運動も糖尿病・認知症の予防に効果的です。運動には血液中のブドウ糖を消費する、筋肉などでのインスリンの働きをアップさせる、血流を促して血管の老化を防ぐといった効果が期待できます。とくに40~64歳までの中年期の運動能力が低いと、年齢を重ねてからの脳の萎縮スピードが速まるとも言われています。早い時期から運動を始めることは糖尿病のリスクを抑えるだけでなく、高齢になってからの認知症予防にもつながるということです。ウォーキングやストレッチなど、できる範囲でムリのない運動を長く続けるようにしましょう。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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