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ストレスと認知症

ストレスと
認知症発症リスクの関係は?

一見、何の関係もなさそうに見えるストレスと認知症。しかし、心や体に多大な負担をかけるストレスはさまざまな全身症状のほか、認知症にも影響を及ぼすことが明らかになってきています。ここではストレスが認知症を引き起こすメカニズムや、ストレスが影響するさまざまな病気、日頃から心がけたいストレス対策についてまとめてみました。

ストレスと認知症の関係

ストレスとは、外部から受けた刺激によって心身に負担がかかっている状態のこと。外部からの刺激には、身体的要因(睡眠不足、痛み、病気など)、心理・社会的要因(仕事上の問題、人間関係、家庭内トラブルなど)、環境的要因(暑さや寒さ、騒音、混雑など)があります。

ストレスと認知症の関係で注目したいのは血流です。ストレスがかかると人の自律神経は乱れやすくなり、それによって血液循環をコントロールする機能が正常に働かなくなります。つまり、血行が悪くなりやすいということです。脳への血流低下は、一時的なものだと強いストレス・睡眠不足などによって起こりますが、長期的なものは加齢や疾病などが原因で、継続的にストレスを受けることで起こるようになります。

京都大学の白川久志薬学研究科准教授らが行ったマウスを用いた研究によると、たとえ軽度な脳血流の低下であっても、長期的に続くことで軽度な認知機能障害になることが明らかになっています。この研究結果は、2018年3月9日にアメリカの科学誌「Journal of Neuroscience」に掲載されています。

また、ストレスは血圧や血糖値を上昇させたり、血液中のコレステロール値を急上昇させて血栓を作りやすくするという説もあります。血栓は脳血管性認知症の原因ともなるので、できるだけストレスの少ない生活を心がけたいものです。

辛い体験をすると脳機能が低下する?

辛いと感じる体験は人それぞれですが、「身近な人の死」「重い病気にかかる」「重大な金銭トラブルや人間関係の問題」といった、人生を大きく揺るがすようなショッキングな出来事に遭遇すると、人は多かれ少なかれ心身にダメージを受けます。人によっては食事がのどを通らなくなったり、意欲が低下して何も手につかなくなることもあるでしょう。しかし、辛い体験が及ぼす影響はこれだけではないようなのです。

これは、アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校のショーン・ハットン氏らの研究によるレポートです。1965~1975年の間に兵役に就いていた359人の男性(平均年齢62歳)を対象とした研究で、5年間で2回の調査を実施。その結果、家族や友人の死・離別・金銭的な問題といったネガティブな出来事を1回体験するごとに、脳の老化が4ヶ月も進行することが分かったのです。この調査で対象としたのは主に白人男性ですが、他の人種や女性にも該当する可能性が高いとのことです。

ただしネガティブな出来事があったとしても、その後のメンタルの回復や健康的な生活を送ることによって、脳の老化の進行は抑制できる可能性があるとしています。辛いことがあったときはひとりで抱え込まず、周囲の支援を得ながらゆっくりと心を癒すことが大切です。

ストレスが影響する様々な病気

溜まったストレスを解消できず溜め込んでいくと、精神的な疾患だけでなく、身体面での疾患にもつながることがあります。ストレスとの関連性があると考えられている、主な疾患は以下の通りです。

・精神的症状
ストレスを受けると自律神経が刺激され、その働きが乱れやすくなります。そのまま改善しないと「何をしても気分が晴れない」「何もヤル気が起きない」といった憂うつ感が強くなり、悪化するとうつ病などにつながります。

・身体的症状
ストレスによる自律神経の乱れは全身にも影響を及ぼし、頭痛、吐き気、胃痛、胃・十二指腸潰瘍、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、過喚起症候群、夜尿症、心因性インポテンツ、メニエール病、顎関節症といった、さまざまな病気を引き起こすことがあります。

・行動的症状
ストレスを感じると、自律神経の乱れにより集中力がダウン。注意力も散漫になるので間違いやミスが増えたり、物事を記憶するといった機能が低下しやすくなると言われています。

これらの症状すべてがストレスによるものだとは限りませんが、生活を送るうえでストレスは避けられないものです。ストレスを溜めすぎていないかときどきチェックし、早めの対処を心がけましょう。

認知症予防のためにストレスが気になる人が行いたいこと

日常生活を送るうえで、何らかのストレスは必ず受けてしまうものです。大切なのは、ストレスを溜め込みすぎて深刻な状況になる前に、その軽減・解消に乗り出すことです。うまくストレスを減らすことができれば心身の健康を保つことができ、認知症はもちろん、さまざまな疾患から身を守ることも期待できます。

方法として挙げられるのは、ストレスの解消とリラクゼーションです。まず、ストレス解消に効果的なのは「好きなことを思いきり楽しむ」こと。カラオケを歌ってスッキリしたり、スポーツで存分に体を動かしたり、好きな映画や絵画を見たり、親しい友人や家族と会話を楽しむのもよいでしょう。ストレスが解消できると緊張状態が緩和され、心身共にバランスが取れるようになってくるはずです。

もうひとつの方法はリラクゼーション。こちらは緊張や興奮を鎮めて、自律神経のバランスを整えるのが目的です。リラクゼーションと聞くとマッサージやアロマテラピーなどをイメージするかもしれませんが、ストレッチやヨガで軽く体を動かしたり、十分に睡眠を取ることもリラクゼーションのひとつです。自分に合った方法を見つけて、上手にストレスと付き合っていきましょう。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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