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タバコ・喫煙と認知症

喫煙と
認知症発症リスクの関係は?

百害あって一利なしと言われている喫煙。健康のためにもタバコをやめなくては…と思ってはいるけれど、なかなかやめられないという人は多いのではないでしょうか。喫煙はさまざまな疾患だけでなく、認知症のリスクも高めると言われています。ここではそのメカニズムや、認知症予防のための心がけについてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

タバコと認知症の関係

肺がんをはじめとする呼吸器系の疾患のほか、動脈硬化・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中といった、さまざまな病気と関係が深いとされる喫煙。全身に悪影響を及ぼすことは明らかなのですが、実は認知症とも関係があるとされています。

喫煙をすると、タバコに含まれるニコチンの作用で血管が収縮し、血流が低下。体のすみずみまで、十分な酸素と栄養が行き届かなくなります。脳の血管も同様です。すると、脳の神経細胞が弱くなってダメージを受けやすくなり、認知症のリスクが高まると言われているのです。

国内で行われた大規模な疫学調査である久山町研究によると、中年期~老年期まで喫煙を続けた場合、タバコを吸わない人に比べてアルツハイマー型認知症のリスクは2倍、脳血管性認知症のリスクは2.9倍にもなることが分かっています。

また、世界保健機関(WHO)と国際アルツハイマー病協会(ADI)が出版している冊子によれば、喫煙者は非喫煙者に比べると認知症発症のリスクが45%も高いとのことです。世界中のアルツハイマー型認知症患者の14%は喫煙が関連しているとの推測もあるため、WHOでは受動喫煙も含めた喫煙の危険性を指摘しています。

現在のところ認知症を根治する方法は見つかっていないため、日頃からの予防対策が何より重要です。認知症を引き起こす原因にはさまざまなものが挙げられていますが、喫煙がそのひとつであることは確か。認知症のリスクをできるだけ減らして、健康的な生活を長く送るためにも、喫煙の習慣を見直す必要があると言えるでしょう。

受動喫煙でも認知機能に影響があるってホント?

「自分はタバコを吸っていないから安心」などと思ってはいませんか?もし、身近にタバコを吸う人がいる場合は、受動喫煙にも注意しなければなりません。タバコの煙には、喫煙者が直接吸い込む「主流煙」、タバコが燃焼するときに火元から立ち上がる「副流煙」、喫煙者の吐き出す息から出る「呼出煙」があり、タバコを吸わない人が「副流煙」「呼出煙」を吸わされることを受動喫煙と呼びます。

実は副流煙には、主流煙よりも多い一酸化炭素や発がん性物質が含まれています。イギリスのケンブリッジ大学の研究チームが50歳以上の約5,000人を対象に喫煙についての調査をしたところ、受動喫煙にさらされるケースが多い人ほど、認知機能が低下しやすいことが明らかになっているのです。この研究では、副流煙が認知症につながるリスクについても示唆しています。

また、喫煙者の吐き出す息には、タバコを吸っていないときでも一酸化炭素や発がん性物質が含まれていると言われています。とくに一酸化炭素については、タバコを吸い終えてから最低でも8時間は息に含まれていると言われているのです。このように、タバコの影響は本人だけでなく、周囲にも関係していることを覚えておく必要があるでしょう。

認知症予防のために喫煙する人が行いたいこと

認知症予防の観点からすると、タバコの量を減らしたり、禁煙をすることには大きなメリットがあります。中高年を過ぎると「今さらタバコをやめたところで…」と思う人もいますが、健康のために始めることで遅すぎることは何もありません。

まず、タバコをやめるとニコチンの影響を受けなくなるため、脳の血流が回復します。血液によって運ばれる酸素や栄養は脳の正常な働きに欠かせないものなので、認知症予防におおいに役立つのは言うまでもありません。また、喫煙量が増えるほど心筋梗塞のリスクは高まりますが、禁煙をすればそのリスクが低下。タバコの影響で弱まっていた血管も徐々に強くなり、脳血管性認知症のリスク軽減効果も期待できるでしょう。さらに、1箱300~500円のタバコを毎日1箱吸うと1ヶ月でその費用は1万円前後になりますが、タバコをやめれば経済的な余裕も生まれます。

しかし、長い間喫煙を続けてきた人にとって、禁煙は非常に難しいものです。禁煙を始めるのは簡単ですが、血液中のニコチン濃度が低くなると禁断症状(離脱症状)が起こり、イライラ・倦怠感・不安感といった症状が起こります。こういった症状を紛らわすには、体を動かす・歯みがきをする・寝てしまう・水やお茶をゆっくりと飲む…といった方法があるので、自分に合った方法を探してみるとよいでしょう。

ひとりで禁断症状を乗り越えるのが困難な場合は、禁煙外来を設けている医療機関に相談するのがおすすめです。医療機関では、禁煙をよりスムーズに進めるための禁煙補助薬(ニコチンパッチ、ニコチンガムなど)を処方してもらえるため、利用するのもひとつの手段です。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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