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今日からできる認知症予防
効果的な『運動』習慣

認知症を予防する
運動方法とは?

認知症予防のためには適度な運動が重要と言われています。なぜ運動が認知症予防に効果があり、具体的にはどのような運動を心がけたらよいのでしょうか。健康運動指導士の中西崇さんに、くわしくお話を伺いました。

コンテンツ監修

中西崇氏

中西 崇 氏

健康運動指導士、介護福祉士。認知症介護実践者研修修了。
認知症ケアに特化したデイサービス施設「アスウェル八千代台」(千葉県)の立ち上げに尽力し、初代センター長を務めたほか、認知症ケアの観点に基づいた運動プログラム等も考案。現「ケアパートナー飯山満センター」センター長。
よりくわしい監修者情報>>
・ケアパートナー株式会社飯山満センター所在地:千葉県船橋市芝山 3-2-1
・問い合わせ電話番号:047-461-3330
ケアパートナー飯山満 公式HPはこちら>>

肥満の人の脳は、
1年で2%も萎縮する!?

生活習慣病が認知症発症リスクを引き上げることが、各国の研究結果で判明しています。
生活習慣病にならないためにも、いますぐに気をつけるべきことが、肥満予防対策です。

実は2014年に肥満と認知症の関係について、アメリカのワシントンD.Cで開催された「北米神経科学学会」の記者会見で、次のような報告がなされました。
8年間にわたって60代のボランティア400人を調査したところ、肥満の人は記憶を司る脳の一部である海馬が1年で約2%萎縮していることが分かったというのです。この萎縮率は、標準的な体型の人のおよそ2倍。つまり、肥満の人は標準体型の人より2倍近く認知症のリスクが高いと言えます。

また、2007年の国立台湾大学のChiang CJ氏らによる調査でも、肥満度を示すBMIが25.5以上の肥満の人は、BMI20.5~22.9の標準体型の人に比べ、認知症の発症リスクが2.44倍であることが分かっています。

日本においても近年、高齢者を含め、肥満が国民的な問題となっています。肥満を防ぐには、日頃の生活習慣に対して一人ひとりが意識を高めることが必要です。

慢性的な運動不足が、
脳の老化を早める事実

慢性的な運動不足、とくに中年期以降の運動不足によって脳の萎縮が早まるというデータがあります。
米ボストン大学医学部Nicole Spartano氏らの研究チームが米国神経学会の専門誌に発表した研究結果によると、平均年齢40歳の1,583人の男女にランニングマシンで運動してもらい、運動能力の測定結果をもとに「能力の高いグループ」と「能力の低いグループ」に分類。それから20年後に2つのグループに同じ運動をしてもらい、MRIで脳の状態を調べたところ、運動能力の低いグループのほうが高いグループに比べて、脳の萎縮が進行していたことが分かったといいます。
しかし、逆に中年期から運動を習慣的に行うようになることで、将来的な脳の萎縮・認知機能の低下を抑制できる可能性が高いことも、あわせて発表されています。

年齢を重ねるにつれて体を動かす量が減ってきた…という人は少なくないと思いますが、脳の老化を防ぐためには、早い時期から適切な運動習慣を身につけておくことが大切です。

認知症予防のための運動習慣1

脳を活性化する有酸素運動

酸素を取り込みながら行う有酸素運動は、生活習慣病予防や認知症予防に効果があるとされています。その理由についてはまだハッキリと解明はされていないのですが、正しい方法で有酸素運動を続けることは、少なくとも認知症と関係の深い生活習慣病の予防に大変効果的です。
有酸素運動にはジョギング、水泳、エアロビクスなどさまざまな種類がありますが、とくにシニア世代におすすめなのはウォーキングです。思いたったらすぐに始められますし、自分のペースで続けやすいのが魅力。
その他にも日常生活に取り入れられる「ながら動作」なども紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

認知症予防のための運動習慣2

ウォーキングは正しい方法で

高齢者が取り組む認知症予防の運動として、気軽にチャレンジしやすいウォーキング。これはまだ仮説ですが、ウォーキングをすると記憶を司る海馬や大脳皮質の血流がアップし、神経伝達物質であるアセチルコリンが増えると言われています。
しかし、ただ漫然と歩くだけではその効果を十分に発揮させられません。ウォーキングには心がけるべきフォームがあり、とくにシニア世代は気をつけるべき注意点があります。正しいウォーキングの知識を身につけて、健康な体づくりや脳機能アップにつなげていきましょう。

認知症予防のための運動習慣3

運動習慣を長続きさせるコツ

運動による認知症予防を高めるには、決してムリをすることなく、長く続けることが何より大切。三日坊主になりやすい人は、近くのスポーツジムや教室に「毎週何曜日」と決めて通ってみたり、マイペースでコツコツ続けたい人は自分なりの目標達成プランを立ててみるなど、自分に合う工夫をしてみるとよいでしょう。
運動だけでなく、体を動かす趣味を作るのもおすすめ。ハイキングや釣りなどでもよいですし、地域活動でバレーボールやゲートボール、卓球などに参加するのもよいでしょう。その他にも体を動かすチャンスはたくさんあるので、ぜひ近隣の活動情報をチェックしてみてください。

認知症予防のための運動習慣4

気をつけたい運動の仕方

高齢者が運動を行う際には、さまざまな点への注意が必要。とくに、張りきりすぎて急激な運動をしたり、必要以上のムリをしすぎるのは厳禁です。心臓や関節などに多大な負担がかかり、健康習慣が逆効果になりかねません。自分自身の体力や体調をしっかりとチェックし、それに合った強度や頻度で運動を行うようにしましょう。
また、血圧管理も重要です。運動前には必ず血圧をチェックする、薬を飲んでいる場合は医師の指示に従うといった注意点をしっかりと守るようにしましょう。

認知症予防において重要なのは、「運動」と「食事」。どちらも欠かすことはできません。適度に身体を動かす習慣を身に着けつつ、バランスのとれた食生活をを心掛けるようにしましょう。 食事習慣の改善方法については下記ページでくわしく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

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今日からできる認知症予防

毎日続けたい『食事』習慣

ドクター

記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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