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認知症予防のための有酸素運動
  

脳を活性化する
認知症予防のための有酸素運動

認知症予防と有酸素運動の
深~い関係

ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳といった有酸素運動は、日々の体力づくりはもちろん、生活習慣病予防・ダイエットにも効果があると言われています。実はこの有酸素運動、脳機能の活性化にも一役買っているようなのです。ここでは認知症予防の観点から見る有酸素運動の有効性や、おすすめの運動法についてまとめました。

記事監修

中西崇氏

中西 崇 氏

健康運動指導士、介護福祉士。認知症介護実践者研修修了。
認知症ケアに特化したデイサービス施設「アスウェル八千代台」(千葉県)の立ち上げに尽力し、初代センター長を務めたほか、認知症ケアの観点に基づいた運動プログラム等も考案。現「ケアパートナー飯山満センター」センター長。
よりくわしい監修者情報>>
・ケアパートナー株式会社飯山満センター所在地:千葉県船橋市芝山 3-2-1
・問い合わせ電話番号:047-461-3330
ケアパートナー飯山満 公式HPはこちら>>

認知症予防にはなぜ有酸素運動が効果的?

日本の久山町研究をはじめとするさまざまな研究・調査結果から、認知症予防には習慣的な運動が効果的であるということが分かっています。
運動には筋トレなどの「無酸素運動」と、ウォーキングなどの「有酸素運動」がありますが、認知症予防により効果があるとされているのは、脳の血流を増加させる有酸素運動。

有酸素運動は酸素を取り込みながら行う運動で、ウォーキングをはじめ、ジョギング、サイクリング、エアロビクス、縄跳びなどがあります。
世界保健機関(WHO)が公表した認知症予防の指針でも、65歳以上は認知機能の低下を防ぐため、1週間に150分以上の有酸素運動をすることを推奨しています。

ただ、認知症予防になぜ有酸素運動がよいのか…といった理由については、まだ明確になっていません。
これは仮説ですが、「神経伝達物質であるアセチルコリン神経の活性化」「脳神経細胞の生存・成長に関わる神経栄養因子の分泌増加」「記憶を司る海馬や大脳皮質の血流促進」「アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβの蓄積予防」などが、認知機能の低下を防いでいるのでは…と考えられています。

認知症予防におすすめの有酸素運動は?

認知症予防のためにも、習慣にしたい有酸素運動。有酸素運動にはさまざまな種類がありますが、誰にでも気軽に始められるおすすめの運動はウォーキングやジョギングです。
とくにウォーキングは、ひとりでも気軽に行える、高齢者にもおすすめの運動のひとつ。

理想的なのは1日30分程度の運動を継続して行うことですが、30分が難しければ1回15分を2回に分けたり、1回10分の運動を3回行っても構いません。
1日あたりの運動時間が、合計30分になればOKです。ウォーキングを行うなら、血圧が上がらない程度のムリのないスピードで、1日7,000~8,000歩ほどを目安にしましょう。
8,000歩歩くのが難しい方は、運動する時間や距離で区切るなどして目標設定するとよいでしょう。

ウォーキングの効果を高めるには、正しいフォームを心がけることも大切です。背すじを伸ばしてアゴを引き、目線は10~15mくらい先を見るようにします。
腕はひじを軽く曲げるようにし、肩からリズミカルに前後へ動かすようにしましょう。歩幅は「身長-100㎝」くらいを目安にし、かかとから着地してつま先で蹴り出すように歩くとベストです。
ただし、ウォーキングを継続することや、膝や股関節に痛みが出てしまわないためにも、歩く場所は重要です。下り坂や階段などはなるべく避け、頑張りすぎてしまわないようにしてくださいね。
また、ウェアラブル端末(衣服状や腕時計状で、身につけたまま使えるコンピューター)を使えば、歩いた距離や歩数、スピード、かかった時間、1か月間でどのくらい運動したか…などが簡単に管理でき、やる気もアップするのでおすすめです。ウェアラブル端末は市販で3~4,000円くらいで探すことができますよ。

認知症予防のための運動療法

運動療法とは、運動を通して機能の改善、筋力の増強、痛みの緩和などを目指す療法のひとつ。この運動療法には、認知症の予防・改善効果も期待されています。

加齢や認知症の進行状況によって、これまでできていた動作や身の回りのことができなくなってくると、関節の動きが悪くなったり、筋力や心肺機能の低下が見られるようになってきます。
徐々に日常生活がままならなくなり、転倒などによる骨折・ケガのリスクも増加。入院や寝たきりになることをキッカケに、認知症の症状が一気に進行することもあるのです。
こういった状況を防ぐためにも、運動療法によって身体機能を維持することが重要です。

運動療法は、個々の心身の状態に合わせて、適切なものを選んで行ってくださいね。

有酸素運動

ウォーキング、ジョギング、水泳、水中ウォーキング、エアロビクス、サイクリングなどが主な有酸素運動です。
運動強度は比較的軽いものとなっています。

無酸素運動

筋トレやスクワットなど、酸素を使わずに筋肉を動かす運動。
体への負荷は比較的強めです。

認知症予防により効果的とされているのは有酸素運動なのですが、健康面を考えると無酸素運動も重要。 個々の体格や抱えている疾病にもよりますが、高齢の方であっても筋力トレーニングは推奨します。
筋肉量が減ると代謝が落ちてしまうため、日常生活の中で最低限の筋肉、とくに下半身(ふともも、ふくらはぎなど)は日常的に鍛えておきましょう。
筋トレというとスクワットを想像される方が多いと思いますが、スクワットは間違えた方法で行うと腰や肩を痛めやすいため、可能であればマシントレーニングを行うことをおすすめします。
通える方は、スポーツジムでパーソナルトレーナーさんについてもらい、自分に合った適度で正しい筋トレを習うといいと思います。それが難しい方は、地域にもよりますが、行政等が体育館でマシントレーニングのレクチャーを行っていることも多くありますので、調べてみてくださいね。

ただし、骨粗しょう症の方や膝などの関節に不安を感じられている方は無理をせず、有酸素運動と筋力トレーニングが短い時間で同時に行える、水中ウォーキングやアクアビクスなどのほうがおすすめです。 無酸素運動のほうが有酸素運動よりも体への負荷が大きい分、自身の状態に合わせた方法を選びましょう。

ストレッチング

筋肉を伸ばしたり縮めたりする動作で、筋肉の柔軟性を高めます。
関節・筋肉への負荷が軽く、リラクゼーション効果も期待できます。運動前・運動後の両方で行いましょう。
運動前のストレッチは、ケガをしないための準備でもあり、可動域を広げて運動の効果をより高める役割もあります。 運動後は乳酸値がたまりやすくなっているので、それをはやく除去するためにもストレッチは必要です。

運動療法は、理学療法士、作業療法士などがいる医療機関や専門施設などで受けることができます。 自治体で行っている認知症予防教室などでも受けることができるので、各市町村の窓口で相談してみるとよいでしょう。

「ながら動作」を積極的に行うのも◎

なかなか運動をする時間を集中的にとれない…といった人は、「ながら動作」を積極的に行うのもおすすめです。ながら動作は家事や通勤の途中でも行えるので、ちょっとした時間を有効活用することができます。
また、ひとつのことをしながら別のことを行う「デュアルタスク(二重課題)」は、脳機能の低下を防ぐ効果が期待できると言われています。

ながら呼吸

立っていても座っていてもOKな動作で、電車やバスでの移動中や、仕事・家事の合間にも気軽に行うことができます。

  • 1.鼻から息を5秒かけてお腹いっぱいに吸い込む
  • 2.口から息を7秒くらいかけてゆっくりと吐き出す
  • 3.息をそのまま5秒間ストップさせる
  • 4.1~3の動作を5回繰り返す

ながら家事

家事をしながら歌を歌うことは、脳と体を同時に動かすよいトレーニングとなります。
家事は掃除や洗濯でもよいのですが、とくに段取り・時間の配分・調味など、脳をフル活用して行う家事のひとつである料理中に行うのが効果的です。

ながらウォーキング

ウォーキングをしながら簡単な計算をしたり、しりとりをするのもおすすめです。
ひとりで行うより誰かと一緒に行ったほうが効果的なので、家族や友人を誘って行ってみてくださいね。

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日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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