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正しい方法で
  

認知症予防のウォーキングは
正しい方法で

ウォーキング習慣で、気軽に
認知症予防を始めよう

有酸素運動の代表ともいえるウォーキングは、比較的手軽に始められる運動としておすすめです。しかし、ただ何となく歩いているだけでは、その効果を十分に発揮させられません。せっかく行うのであれば、より効果が期待できるようになる正しいウォーキング法を知っておきましょう。

記事監修

中西崇氏

中西 崇 氏

健康運動指導士、介護福祉士。認知症介護実践者研修修了。
認知症ケアに特化したデイサービス施設「アスウェル八千代台」(千葉県)の立ち上げに尽力し、初代センター長を務めたほか、認知症ケアの観点に基づいた運動プログラム等も考案。現「ケアパートナー飯山満センター」センター長。
よりくわしい監修者情報>>
・ケアパートナー株式会社飯山満センター所在地:千葉県船橋市芝山 3-2-1
・問い合わせ電話番号:047-461-3330
ケアパートナー飯山満 公式HPはこちら>>

手軽に始められる認知症予防が
「ウォーキング」

認知症予防が期待できる有酸素運動の中でも、比較的誰でも簡単に始められるのがウォーキング。特別な道具や場所も必要ありませんし、年齢や性別も問いません。日頃からあまり運動をしていない人がいきなりジョギングなどを始めるとヒザや足首などの関節を痛めがちですが、負担の軽いウォーキングならそのような心配はほとんどありません。

ウォーキングを始めると、多くの人が「体力がついてきた」「血行がよくなった」「よく眠れるようになった」「体重が減った」といった、何らかの変化を実感します。よい変化が見られるとそれがやる気につながり、楽しさも倍増!歩くこと自体が楽しくなり、いつものコースを飛び出して里山歩きに出かけたり、地域のイベントに参加する人も見られます。
こういった行動の広がりは生活や人生を充実させ、身体能力だけでなく脳機能の活性化にもつながります。

近所でウォーキングを行う際も、カメラを持って出かけたり、まだ行った事のないエリアをめぐってみたり、歩数計を持って出かけてみるといった工夫をするとよいでしょう。
ただ、気負うと長続きしなくなるので、まずは散歩から…と、軽い気持ちで始めてみてはいかがでしょうか。

ウォーキング習慣が
認知症予防になるメカニズム

定期的な運動を継続している人のほうが認知症の発症率が低く、つまり習慣的な運動が認知症予防に効果があるということは、多くの研究によっても明らかになっています。
しかし、では有酸素運動がなぜ認知症予防に効果があるのかについては、まだ確実的な理由は分かっていません。現在もさまざまな研究から仮説が立てられていますが、そのひとつに、神経伝達物質であるアセチルコリンの関係性があります。

脳の記憶を司る部分である海馬や大脳皮質には、アセチルコリンという神経伝達物質を放出するアセチルコリン神経が大脳から伸びています。
しかし、高齢者やアルツハイマー型認知症の患者では、この海馬と大脳皮質で血流の低下が見られるため、アセチルコリン神経の働きも低下気味。アセチルコリンの分泌量が少なくなりがちです。

ラットを使った研究ではありますが、ランニングマシンの上を歩かせたラットは、マシンのスピードがどの速さでも歩行中の海馬の血液量が増加。しかも、若いラットでも老齢のラットでも同じ結果が見られたとのことです。
とくに、血圧があまり上昇しない程度のスピードで歩くと海馬のアセチルコリンが増え、血流が増えることも分かっています。

以上はひとつの仮説ですが、ムリのないスピードでウォーキングを続けることが、認知症予防につながると考えられます。

歩くときは正しい
ウォーキングフォームを意識して

ウォーキングはただ歩くだけでなく、歩くフォームに気をつけることでより高い効果が期待できるようになります。以下のポイントを参考に、正しいウォーキングのフォームを意識するようにしましょう。

背すじを伸ばして歩く

猫背にならないよう背すじを伸ばし、胸を張ります(胸郭を開くイメージ)。顔は自然に正面を向くようにし、視線は10~15mほど先を見るようにしましょう。

ひじを軽く曲げ、前後に振る

ひじは軽く曲げるようにし、前後にリズミカルに振ります。肩の力はあまり入れすぎないようにし、リラックスしましょう。

歩幅を少し大きめにする

歩幅は、いつもよりも大きめを意識します。目安としては、「身長-100㎝」くらいです。
着地をするときはかかとからが基本、つま先でしっかりと地面を蹴って大きく踏み出すようにします。

呼吸はマイペースで

ウォーキング中はムリをせず、自然な呼吸を心がけます。息を吸うことよりも吐くことを意識すると、自然と新鮮な酸素を体いっぱいに取り入れることができます。

正しいフォームを心がけることは重要ですが、あまり意識しすぎるとヒザや腰などに負担がかかってしまうこともあります。最初はムリをしすぎず、楽しいと思える強度で続けていきましょう。
心拍数が120を超えてきたら少し負荷が強いので、スピードを落とすなどして気をつけてくださいね。

歩くスピードの目安

時速の目安は6キロ以上10キロ未満です。いつもより気持ち少しはやめに歩くイメージです。

ウォーキング時の注意点

ウォーキングを行う際には、いくつかの注意点があります。

まず、歩数と強度です。認知症を予防するためのウォーキングであれば、歩数は1日7,000~8,000歩ほどが目安となります。(昔は1日1万歩、とよく言われていたのですが、今は1日7,000~8,000歩と言われています)
強度としては中等度、いわゆる早歩きがベスト。最初からムリをしすぎるとケガをしたり、体に負担がかかってしまいます。
また、続けることが心理的にしんどくなって途中で挫折してしまうケースもあるので、自分に合ったペースでスタートするようにしましょう。1日の歩数も最初から8,000歩を目標にしなくても、5,000歩くらいからスタートしてみるのもよいと思います。

ウォーキングをする前には、準備運動も大切です。いきなり歩き始めると足腰を痛める恐れがあるため、軽いストレッチや屈伸運動などでウォーミングアップをしましょう。また、靴は足に合ったもの、ウェアは季節に適したものを選ぶようにしてください。
日中であれば日差しを避けるための帽子や汗を拭くためのタオル、水分補給をするための水筒なども準備しておくと◎。

また、糖尿病で降圧剤を服用している人は、適度な運動であっても低血糖を起こす場合があります。ウォーキングをするならあらかじめ必ず医師に相談し、万が一のために氷砂糖などを常備しておくとよいでしょう。
足の関節などに不安がある人は、ウォーキングよりも負荷のかかりにくい水中ウォーキングがおすすめです。こちらも、事前に医師に相談してから始めるようにしましょう。 ただし、ウォーキングを始めたら急に腰や膝や股関節が痛くなった、と感じられた場合は、いったん運動をストップして専門医に見てもらうようにしてください。

痛みについても、痛みの原因がはっきりしている脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどではない場合には、整形的な部分ではなく、精神的な部分に痛みの原因があるケースもあります。
忙しかったりストレスがかかりすぎると、脳内物質のドーパミンが低下して痛みを抑える神経物質が下がってきてしまうため、痛みを感じやすくなります。そうすると不安になり、さらにドーパミンが下がって…という悪循環に陥ってしまう方もいます。
「この運動量を必ずやる」と気持ちに負荷をかけるより「楽しみながら続けられる」量が個々の適度な運動量だと考えてくださいね。

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記事監修

日本認知症学会
名誉会員
本間 昭 医師

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